8.猫が口に入れると危険なもの
猫は犬に比べて美食家で、危険なものを食べてしまうことはあまりありません。ただし家庭内には、猫が意図せず口にしてしまうと危険なものがたくさんあります。
中毒症状としてよく見られるのは、大量のよだれ、嘔吐、下痢。症状が強い場合は泡を吹いたり、ひきつけや痙攣を起こしたりする場合もあります。そのような症状が見られたら、早急に動物病院に連絡してください。その際は可能な限り原因となるものを確認して、伝えるようにしましょう。
また、猫が口に入れると危険なものは日頃からきちんと管理し、猫が誤って口にしないよう注意してください。刺激不足やストレスによって、食べられないものを食べるケースがあります。猫にとって安全な猫草は常備するほか、上下運動をしたり、おもちゃでしっかり遊んだり、猫らしい行動ができる環境を整えてあげましょう。
× ネギ類、チョコレート、アルコール
猫にとって危険な食べ物はたくさんあります。直接これらを食べなくても、調理したものに含まれている場合があります。猫がネギ類を好んで食べることは通常ありませんが、玉ネギと一緒に調理した肉類やスープを食べてしまう場合があるため注意が必要です。ネギ類は血液中のヘモグロビンを破壊する成分を含んでいるので、貧血を起こす可能性があります。
× 殺虫剤、洗剤、消毒薬
猫が自ら進んで食べることはありませんが、足で踏んでしまったり体にかかったりすると舐め取ろうとして飲み込んでしまいます。猫が意図せず飲み込むことがないよう、管理には十分注意が必要です。
× 人用の医薬品、サプリメント、アロマオイル
人と猫では肝臓の機能が異なります。たとえ、人にとって無害な物質でも猫が中毒を起こすことは少なくありません。
また、人と比べてはるかに体が小さいため、人にとって無害な量でも猫には過剰摂取になります。人用の医薬品やサプリメント、アロマオイルは猫に直接与えてはいけません。与えるつもりがなくても皮膚について皮膚から吸収されたり、呼吸とともに吸い込んだり、自分でグルーミングして体内に入ってしまう可能性があります。猫が間違って口にしないよう、安全に管理してください。
× 観葉植物や切り花
もともと猫には草を食べる習性があります。室内飼育下では猫が好きなイネ科の雑草を食べられないので、代用として観葉植物や切り花を食べてしまう場合があります。
猫にとって有害となる植物はたくさんありますが、特にユリ科の植物は危険なものが多いです。食べるのはもちろん、切り花が生けてある花瓶の水を飲むだけで中毒を起こすケースがあります。室内に観葉植物や生花を置く場合は、猫が興味を示していないか十分に確認してから置くようにしましょう。少しでも興味を示す場合は置くのを諦めるか、猫が絶対に入らない部屋に置いてください。
× その他
猫用おもちゃで遊んでいるうちに食べてしまうケースもあれば、布製品や毛糸製品を好んで食べる猫もいます。犬と違って美食家の猫ですが、食べられないものを食べてしまい消化管に詰まってしまったという事故は意外に多いのです。
日頃からよく観察し、誤食の危険性があるものは猫が近づけない場所に置くよう心がけましょう。
8.まとめ
愛猫のフードを選ぶ時は、「総合栄養食」の記載をチェックしましょう。そのうえで、年齢に適したフードを選んでください。
さまざまなフードを試してみると愛猫の好みが見えてくるはず。猫は食べ慣れないものを避ける傾向があるため、子猫期から同じフードばかり与えていると病気の管理に必要な療法食を食べてくれない場合があります。
また、食欲がなくなった際にも食べられる食事のレパートリーが多いと安心です。子猫期からいろいろな食感や風味の食べ物を与えておくと良いでしょう。
ただし、総合栄養食であっても適正カロリーで与えること。また、喜ぶからといってたくさんおやつや人間の食べ物を与えてはいけません。肥満はかわいい愛猫を苦しめる原因になります。
食事は猫にとって必要な栄養素を取り入れるだけでなく、体や頭を使う大切な機会でもあります。いろいろな場所にお皿を置いたり、知育玩具を使ったり、投げたり、隠したりというように、与え方を工夫すると心身の健康にもつながります。愛猫と長く一緒に暮らしていくために、適切な食事を与えるよう心がけてください。
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