妊娠初期に寒いと感じる症状とは?
妊娠初期に寒いと感じることはよくあることですが、いったいその症状はどんなものが多いのでしょうか?
妊娠初期に感じる寒気の症状は、人によって全く違うと言っていいでしょう。
なんとなく風邪の引き始めのように、背中がゾクゾクするような感じが続く人もいれば、身体の芯はゾクゾクするのに、頭や手足の先はのぼせているような感じがする人もいます。
そうかと思うと、夏でもたっぷり肩まで毛布を掛けないと、寒くていられない、という強い寒気を感じる人もいます。
つわりの症状が一人ひとり全く違う様に、妊娠初期の寒気も一人ひとり全く違ってくるものです。
また、寒気を感じやすい期間も人それぞれで、妊娠5週以降に妊娠に気が付いてから寒気を感じるようになった、という人もいますし、妊娠3週目くらいので寒気を感じるようになる人もいます。
妊娠初期に寒いと感じることは赤ちゃんへ影響するの?
ここまで妊娠初期に寒いと感じる原因についてみてきましたが、妊娠初期に寒いと感じることは赤ちゃんに何か影響を及ぼすのでしょうか。
妊婦さんにとって心配な症状があると流産するのではないかと思っていまいますが、妊娠中の寒気は流産には影響しないので安心してください。
しかし寒いと感じることは流産の原因にはならないけれども、胎児に影響がある、という研究結果が出ています。
妊娠中に寒気を感じやすい妊婦から生まれた赤ちゃんには低体重児が多いとのことです。どうして妊娠中に寒いと感じやすい妊婦さんからは低体重児が生まれやすいのでしょうか?
それは妊娠中に寒いと感じやすい妊婦さんの体質が影響しています。
寒気を感じやすい人の多くが、手足が血行不良で冷えていたり、貧血を持っていたりします。
血行不良になったり、貧血になるのは、血液中に十分な酸素や栄養素が含まれていないことが原因です。
そのために赤ちゃんにも発育に十分な栄養素が回っていかずに、低体重児になりやすいと考えられています。
妊娠初期までに終わる黄体ホルモンの影響やつわりで感じる寒気なら、妊婦さんが誰でも経験することなので問題ありませんが、妊娠後期に入っても寒気が続くようなら、早めに改善しないと、お腹の赤ちゃんの発育に影響が出てきてしまいます。
妊娠初期に寒い!こんな時には気を付けて!
妊娠後期まで続く、冷えや貧血による寒気というのは、赤ちゃんの発育に影響を与える可能性があります。
しかし、妊娠初期に寒いと感じるのは、それほど心配することはありません。
また冷えや貧血による寒気があって、赤ちゃんの体重が少なめになったとしても、奇形や障害を負うようなレベルの発育不良が起こることはほとんどありません。
冷えや貧血は改善することが大切ですが、妊娠中に寒気を感じたからといって、それほど心配し過ぎるのは、却ってストレスの元になるのでよくないことです。
しかし、寒気の中には流産などの緊急事態につながる危険な寒気もあります。
次に挙げるような症状を併発する寒気が起きた場合には、急いでかかりつけの産婦人科や産院に相談して、必要なら専門医を紹介してもらうことが大切です。
【要注意①】お腹の痛みを伴う
妊娠初期の寒気で、お腹の痛みを伴うものは、流産の危険性があります。
軽くお腹に張りを感じる程度ならそれほど心配はいりません。
しかし妊娠中のお腹の激しい張りや痛みというのは、常に流産の危険性と隣り合わせです。
寒気に加えてお腹に痛みや激しい張り、出血があった場合には、流産の危険性も考えて、早急に病院に連絡をして指示を仰ぎましょう。
【要注意②】高熱を伴う
妊娠初期の寒気に加えて、高熱を出した時には、高熱を出す風邪か、インフルエンザといった感染症の可能性があります。
妊娠4週目くらいまでは、妊娠の自覚がまだないので、市販の風邪薬を飲んでしまうことがあります。市販の風邪薬の成分は弱く調合されているので、それほど胎児に影響はないと言われてはいます。
しかし、どんな影響があるのかはよくわかっていないところもあるので、妊娠中は自己判断で薬を飲むことはやめ、医師に相談しましょう。
高熱や、身体の節々の痛みや筋肉痛を伴うような、インフルエンザなどの感染症が疑われる症状が、寒気とともに出た場合には、まずかかりつけの産婦人科へ連絡を入れて、どうしたらいいのか指示を仰ぐことが大切です。
ちゃんと産婦人科のお医者さんのところには、妊婦さんがかかりやすい病気や感染症の治療法や薬が用意されています。
インフルエンザの時には、タミフルなどの治療薬を使っても大丈夫なのか心配になるでしょう。
そういったこともきちんと説明してくれるので、必要以上にパニックにならずに、安心して相談する様にしましょう。
【要注意③】背中の痛みや嘔吐を伴う
妊娠初期の寒気に加えて、背中の痛みや嘔吐、38度以上の高熱を伴う時には、腎盂腎炎の疑いもあります。
腎盂腎炎というのは、尿道から腎臓に細菌が侵入して増殖することで起こる病気で、抵抗力が弱まっていたり、膀胱炎と併発して起こったりすることが多い病気です。
妊娠中には子宮が膀胱を圧迫したり、腎臓と膀胱を繋ぐ尿道の収縮がホルモンの関係で弱くなったり、便秘が起こりやすくなったりすることなどから、膀胱炎になりやすいので、膀胱炎の増加に伴って、腎盂腎炎になってしまう人も多くいます。
腎盂腎炎そのものは妊娠の継続や出産には大きく影響はしません。
しかし、腎臓へ侵入した細菌が子宮へ回ってしまうと、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れてしまい破水してしまうこともあります。
また腎盂腎炎になると、高熱や嘔吐によって体力が大きく奪われることから、妊婦さんの身体に大きな負担を掛けてしまいます。
腎盂腎炎や膀胱炎を予防するためには、温かい水分を十分に摂ることと、尿道から侵入する細菌を排尿で流すために、トイレを我慢しないことが大切です。