凍結保存した卵子だと、妊娠しにくくならないの?

 現在、日本では第三者からの精子提供は法律婚をしている夫婦に対し、認定施設のみで人工授精することが可能です(特段、精子提供の制度は進んでいません)。今後、卵子提供に関する制度が整備されていく可能性はありますが、基本的には不妊治療を行う場合は、自分の卵子を使うしか方法はありません。  もしも、日本で体外受精を行うのであれば、若いうちに卵子を保存することが、極めて重要になっていきます。

モラハラ彼氏と別れ、44万円かけて「卵子凍結」した42歳女性の胸のうち
(画像=『女子SPA!』より引用)

卵子凍結の大きなポイントは、独身の女性であっても、卵子の保存は可能である点です。 「現在、パートナーがいないけど、いずれは子どもがほしい」という方は、いざ結婚して自然妊娠が難しいと感じたときに、凍結保存しておいた若い自分の卵子を使って、体外受精を試みることができます。

新鮮な採取したばかりの卵子と凍結保存しておいた卵子とでは、前者のほうが受精率は高いのではないか……と感じるかもしれませんが、凍結保存した卵子が、新鮮な卵子に比べて妊娠しづらいということはありません。

卵子凍結保存を行う費用はどのくらい?

 卵子凍結保存は、不妊治療と同じく、すべて自由診療で行われます。健康保険が利かないため、高額になりがちです。  金額は病院によって差がありますが、検査や採卵時に必要な薬、採卵手術の費用などをすべて合わせると、初期費用としては50万円から80万円ほどかかります。

 また、卵子凍結を行う場合、継続的なコストとしてかかるのが、保管料です。凍結卵子の保管料は、卵子1個につき1年間あたり1万円ほど。採卵できる卵子は複数個であることが多いため、仮に10個卵子を採取して保管している場合は、毎年10万円程度の費用が必要になります。

 もしも、30歳で卵子を10個採卵して、39歳まで保管した場合は、保管料だけで90万円必要になる……ということ。