風邪薬が家にあるくらいの安心感
「凍結したからといって、これで必ず妊娠できるとは思っていません。得られたのは、風邪薬が家にあるくらいの安心感でしょうか。もう結婚への執着はそんなにないのですが、やっぱりいい人と出会いたいし、思いやりのあるパートナーはほしいですね」
離婚後しばらく恋愛はこりごりと、リモートワークが多くなったコロナ禍で地元にUターン移住した松井さん。ですが、なんとここにきて3人の男性から一気にアプローチされるというモテ期が到来しているのだそうです。
「どうなるかはわかりませんが、久しぶりに楽しいです(笑)。この状況を楽しめるのは、たしかに凍結したことで心に余裕が生まれたからなのかもしれませんね」
凍結したからといって、必ずしも全員が出産を選ぶわけではありません。ただ、選択肢を持てることが、心の余裕に繋がることは間違いないのでしょう。松井さんの笑顔からは、自分らしい幸せを掴めるかもしれないという喜びが溢れていました。
若い卵子があれば、30代後半以降でも出産確率は上がる
母体の年齢が上がれば、卵子の老化や流産の増加、卵巣機能の問題などで、体外受精をしても成功率は下がります。
でも、そこで老化していない卵子を使って体外受精をすると、仮に母体が30代後半以降であっても、妊娠率はぐっと上昇します。
出典 CDC:Assisted Reproductive Technology(2017)
卵子を凍結保存する上で重要なのは、「何歳のときに、卵子を保存するか」です。卵子の老化は31歳頃から始まり、35~39歳にかけて、急激に進んでいきます。そのため、不妊治療で効果を得るためには、遅くても34歳くらいまでに卵子を採取し、保存しておく必要があるのです。