鶴岡の町中は、城址公園を中心に、二の丸跡には荘内神社や大寶館、三の丸跡には致道博物館と、歴史をたどる観光スポットが集中しており、徒歩での観光が可能です。美しい城下町散策をのんびりと楽しんでみませんか?町の歩き方ガイドや駐車場情報も紹介します。
【1】風間家旧別邸・無量光苑釈迦堂(むりょうこうえん しゃかどう)
鶴岡城下で庄内藩の御用商人として発展した風間家は、鶴岡一の豪商となり地元産業の振興に力を注ぎました。無量光苑釈迦堂は、主に来客の接待などを目的として建てられた建物で、良質の杉材を使った数寄屋風建築です。優れた構造や意匠から、国の登録有形文化財に指定されています。広さ約2,700平方メートルの庭園も見事で、次に紹介する本邸との趣の違いを楽しめます。
【2】旧風間家住宅・丙申堂(ヘイシンドウ)
明治29年、住居と商いのために建てられた丙申堂は、先にご紹介した別邸の本邸となります。約200年前の薬医門や、4万個もの石が置かれた石置屋根、広大な板の間と大黒柱など、一つ一つのスケールの大きさに驚かされるとともに、豪商としての繁栄ぶりを偲ばせてくれます。国の重要文化財にも指定されています。
【3】鶴岡カトリック教会 天主堂
遠くからでもひときわ目を引く赤い塔が目印の鶴岡カトリック教会は、明治36年、フランス人神父の全財産と信者からの寄付によって建てられた教会です。ロマネスク様式教会建築の傑作として国の重要文化財にも指定されており、東北地方では最古のものです。
また、国内ではこの教会でしかみられない貴重なものが2つあります。一つが窓絵(まどえ)。透明な紙に描かれた聖画を窓の外側から貼り、それをもう1枚のガラスで挟むという独自の技法でつくられたもので、高価なステンドグラスの代用だったようです。もう一つが、黒い聖母マリア像。フランスのデリヴランド修道院から贈られたもので、世界的にも珍しい貴重なマリア像です。
【4】鶴岡公園
庄内藩主・酒井家が、約250年もの間居城としていた鶴ヶ岡城址で、今も残るお堀や石垣、土塁などから、お城の名残りを感じられます。城址公園は、日本さくら名所100選にも選ばれており、桜の名所として有名ですが、5月にはあやめ、6月には花菖蒲を楽しむこともできます。
公園内には、荘内神社や大寶館などの必見スポットも多く、市民ならず観光客にも人気の場所です。藤沢周平の小説で、北川景子主演によって2010年に公開された映画『花のあと』のロケ地となった場所でもあります。
【5】荘内(しょうない)神社
旧藩主を慕う庄内一円の人々によって創建された荘内神社は、明治10年(1877年)、鶴ヶ岡城旧本丸跡にたつ神社です。「神社はん」の愛称でよばれていることからも、多くの人々から親しまれていることをうかがい知ることができます。
境内にある宝物殿(無料)では、藩主ゆかりの武具や美術工芸品などの貴重な品々が、季節ごとにテーマを替えて展示されています。水おみくじや、手水舎の花、本殿なども美しいしつらえで、参拝客の心を和ませてくれます。