やる気になった韓国人のパワーはすごい
スタッフは全員日本語が堪能
実は6年も韓国にいるのに韓国語があまり話せません。大変恥ずかしいのですが、ごく最近、勉強を始めました。仕事前の朝7時~9時に週3回ほど家庭教師にオフィスに来てもらっています。
宿題もあるし、怒られてばかりで大変です。もともと韓国とは縁がなく、関心もなかったので、韓国に来るまでは何も知りませんでした。言葉も現地コンサルタントは全員日本語が堪能であるため、韓国語を勉強せずに甘えていたわけです。
現地メンバーにも、その点は見破られていて、来韓当初に冗談っぽく「韓国語教えてよ」と言ったら、「香月さん、全然やる気ないですよね。韓国語を学ぼうとする姿勢が出て来たら教えますよ」と言われたことがあって、今ようやくその姿勢を現地メンバーに見せられるようになってきたかなという状態です。
韓国企業に対しては、今のところコンサルティングも講演もすべて通訳を介して行なっています。最終的にはすべて韓国語で出来るようになりたいのですが、まだまだ時間がかかりそうです。日本では相手の反応を見ながら、補足説明できますが、韓国では通訳を介しているので、聞いている方の反応がわからないことが多々あります。
質問を受ける際も、すごく怒ったような様子で勢いよく話される方がいて、通訳されるまではビビッてるんですけど(笑)、内容を聞くと非常に好意的な感想だったりと、空気感がつかめないこともあります。自分の体験から痛感しましたが、語学は現地に住んでいるだけではできるようにならないので、腹をくくって勉強しなければいけませんね。
韓国での第二ステップは日系企業のサポート
日本発のコンサルティングノウハウを韓国企業向けに転用し、事業が軌道に乗りはじめ、現地コンサルタントも育ち、韓国での私の役割に区切りがつくとともに、韓国人ではない私の存在価値はなんだろうと悩んだこともありました。韓国赴任以来、韓国企業がクライアントだったために日本人と全く接点がなく、韓国に日本人っていないんじゃないかと思ったくらいでした。たまにカジノに行くと見かけるくらいで(笑)。
そこで、SJC(ソウルジャパンクラブ)に加盟したところ、日系企業の方々にお会いする機会があり、現地スタッフのマネジメントで困っているという方がたくさんいらっしゃいました。韓国人スタッフのやる気を高められないと困っていたり、韓国の代理店との関係が改善されず悩んでいたりと、問題は様々でした。
そこで、これまで韓国企業へのコンサルティングで培ってきたノウハウが、日系企業にも活かせると気づき、お手伝いさせて頂く機会が増えてきました。6年前に韓国に来たときは、まさかそんな事業展開があるとは私自身思ってもみませんでした。
山登り同好会に参加し、休日は日韓混合で登山に
韓国語は苦手ですが、韓国文化や韓国人を知ろうということに関しては、仕事を通じて積極的に取り組んできましたし、知り得たことは多かったです。逆に、多くの日系企業の方たちは、韓国人スタッフとのコミュニケーションが少ないと感じます。
まずは日本人と韓国人が一緒に食事をすることからだと思いますが、日本料理よりも韓国料理がおすすめです。ビジネス上では聞けないような話も、一緒に食事に行くことでいろいろな話が聞けるようになります。
韓国人のマネジメントを考える上では、韓国文化や韓国人を知っているか知らないかの差は大きいと思うので、そうした場を積極的につくるのが良いですし、韓国生活を楽しくするコツでもあるのではないでしょうか。
結果にこだわり成功へ導く
韓国企業でも日系企業でも、やる気があるのにやり方が悪いために躓いてしまっている企業はたくさんありますし、そうした状態のままで改善が進まないのはすごくもったいないことだと思っています。ちょっとしたことでも、やり方を少し変えるだけで大きな成果が出ることがあるから尚更です。
頑張っている人をサポートして成果に結びつけるのがコンサルティングの醍醐味ですので、私たちが提案したやり方がうまく伝わって大きな成果が出て、クライアントと一緒に喜べる時が、仕事をしていてよかったと思える時ですね。
また、営業組織のコンサルティングというのは、レクチャーや調査をすることが目的ではなく、売上を上げるという成果を出すことが目的なので、何が何でも成果を出さなければなりません。私たちが実際に営業に行って仕事の案件を持ってきてもよいですし、机上の空論で終わらせることなく、成果を出すことにこだわっています。
韓国を基点にアジアへ
今後は、日系企業の事業展開のお手伝いを積極的に行なっていきます。多くの日系企業が、韓国市場展開にあたって同じところで躓いているなと感じるので、日系企業が韓国で活躍できるノウハウや勝ちパターンを作っていければと思います。そうした成功モデルがたくさんできれば、韓国に進出する日系企業も増え、日本企業のグローバル化もいっそう進むのではないでしょうか。
このような形で、韓国を基点にして、ちょっと遠くから日本を応援していくことが私のミッションです。近い将来、事業目標を達成できたら、韓国だけでなくアジア全体の日系企業の支援に事業をシフトして、アジアの中での日本の存在感を高めるお手伝いができればと思っています。
インタビューを終えて・・・
今ではすっかり韓国が気に入り、食わず嫌いだったスンデも大好きに。「何でも無理して3回食べれば慣れるので。スンデも食べてみましょう!」という香月さん。年齢重視と思われがちな韓国ですが、自分にない能力を持っていれば年齢問わず学ぼうとする姿勢が強い韓国では仕事も円滑に進んだとか。韓国企業の現場を広く知ることのできる稀少な立場だけに、日韓のビジネスでの交流や協業に向けた、新たな役割を果たしていかれることでしょう。
株式会社インタープライズ・コンサルティング
1964年創業のコンサルティング会社。12,000社を超える企業の経営コンサルティングを行ない、業界に特化したコンサルティング部門を有し、現場主義を重視しているのが特徴。「DIPS」など書籍の発行も多数。2007年から中国、韓国にもオフィスを開設し、現地企業及び日系企業にコンサルティングサービスを提供している。
住所:ソウル市 永登浦区(ヨンドゥンポグ)汝矣島洞(ヨイドドン)12 CCMMビル8階
電話:02-3786-0354(韓国能率協会コンサルティング事業所内)
ホームページ:http://www.ipcon.co.jp/
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