どこから見ても楽しめる全5テーマの文化交流展

キッズも遊べるミュージアム!九州国立博物館の見どころを徹底レポート
(画像=『あそびのノート』より引用)

九博の文化交流展示室は5つのテーマで構成されています。天井の高さ7m、床面積約3,900㎡、ワンフロアの展示室としては破格の広さ。そこに国宝、国指定重要文化財を含む約800~1,000点の貴重な品々がずら~っと並びます。

さらに、その展示品はほぼ毎週入れ替えるため、訪れるたびに新たな発見、新鮮な感動が味わえます。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

文化交流展示室に入って、最初に足を向けたいのは、まっすぐ進んだフロア中央にある「中央ガイダンスエリア」。

ここを中心地点として「①縄文人、海へ」「②稲づくりから 国づくり」「③遣唐使の時代」「④アジアの海は日々これ交易」「⑤丸くなった地球、近づく西洋」の5つにコーナー分けされています。中央ガイダンスエリアでは、そのエリア図を展示。

①から⑤まで時系列で見ていくか、それとも宝物を探す感覚で興味の向くまま見てまわるか、このエリアでざっくりプランを立てて観覧することをおすすめします。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

すべてをくまなく見てまわるには、あまりにも広く、展示数も多い九博の文化交流展示室。疲れたら、随所に配置しているベンチでひと休みしましょう。 ※文化交流展示室の展示品は、取材時のものです。展示内容は事前に公式サイトでご確認ください。

①縄文人、海へ(35,000万年前~紀元前4世紀)

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(画像=『あそびのノート』より引用)

「縄文人、海へ」のコーナーには、氷河期だった旧石器時代から縄文時代の展示物が並びます。ナウマン象の骨や石製狩猟具、調理具のほか、縄目の文様を施した素朴な鉢形土器から燃え上がる炎をデザインした芸術的な火焔型土器まで、人類初期の土器に心が震えます。

②稲づくりから 国づくり(紀元前4~紀元後7世紀)

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(画像=『あそびのノート』より引用)

弥生時代から古墳時代の品々を展示した「稲づくりから 国づくり」のコーナー。大陸から稲作の技術が伝わり、共同で農作業を行うなかで、やがて地域を治める王が誕生しました。大陸から多くの人々が渡来してきたのもこの時期です。
写真は、世界遺産登録の福岡県・沖ノ島から出土した国宝の数々。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

中国の歴史書『魏志倭人伝』に登場する「伊都国」の王墓を実大復元した「弥生の王墓」。大きな甕(かめ)を2つつなぎ合わせた棺に、中国大陸製の銅鏡、金銅四葉座金具、緑色ガラス壁、日本列島製の銅矛など、復元埋葬品を展示しています。

③遣唐使の時代(7~12世紀)

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(画像=『あそびのノート』より引用)

日本が唐の都に遣唐使船を送り、大陸文化を積極的に取り入れた奈良時代。その後、渡来文化を基盤に日本独自の文化へと醸成していった平安時代。こうした時代の流れを数々の展示品を通してたどることができます。奈良時代、平安時代は、大宰府がアジアとの外交・貿易の拠点として栄えた時代。「遣唐使の時代」のコーナーは、大宰府にまつわる展示品が多いのも特色です。

写真手前は、九博から車で10分ほどの観世音寺所有の日本最古の梵鐘『国宝 観世音寺梵鐘』です。698年に造られたもので、京都・妙心寺の梵鐘と兄弟といわれています。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

重要文化財、福岡県大宰府政庁跡で出土した「鬼瓦」は奈良時代8世紀のものです。

④アジアの海は日々これ交易(12~16世紀)

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(画像=『あそびのノート』より引用)

鎌倉時代から室町時代は武士が台頭する一方、京都や博多などの商人が活躍した時代でもありました。アジア諸国の貿易商人たちは海を盛んに行き来して、日本にもあらゆる文物が流入。当時の武士たちが富や権力の象徴として収集した水墨画や茶道具、木印、巻物の資料などを展示しています。

九博キャラ「はらのむし」の原画を展示

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(画像=『あそびのノート』より引用)

九博のPR動画などで、何かと登場するオフィシャルキャラクター「はらのむし」。そのキャラクターの原画『針聞書』を「アジアの海は日々これ交易」のコーナーで発見! 

『針聞書』とは、1568年に大阪府(摂津の国)に住んでいた元行が記したとされる針灸専門書。針の打ち方、打つポイント、体の中にいる虫の図とその治療法、臓器や体内の解剖図が書かれた本です。

「きゅーはくの絵本」コーナーをチェック

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(画像=『あそびのノート』より引用)

文化交流展示室は、展示品の入れ替えを頻繁に行っているため、『針聞書』の原本も毎日展示しているわけではありません。レプリカであれば、フロア中央の「中央ガイダンスエリア」の裏側、「きゅーはくの絵本」コーナーでいつでも見られます。

⑤丸くなった地球 近づく西洋(16〜19世紀)

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(画像=『あそびのノート』より引用)

日本に鉄砲やキリスト教がもたらされた16世紀から、長崎を通じて世界とつながった江戸時代まで、その交流史を物語る展示品が並びます。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

17世紀、ヨーロッパのヨドクス・ホンディウス作『日本図』。メルカトルの地図帳(1585年刊)をもとに作成したものです。

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(画像=『あそびのノート』より引用)

江戸時代17~19世紀の「両替天秤・分銅」(後藤茂規氏寄贈)。金・銀・銅(銭)の3種類の貨幣が流通した江戸時代に、両替に用いられました。

こちらもチェック! さらにくわしい11の展示室

文化交流展示室は5つのテーマでコーナー分けされていますが、そのコーナーに隣接して、さらにくわしく個別のテーマを探求した11の展示室があります。なかでも見どころを写真付きで紹介します。

「第1室 寄贈者顕彰室」

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(画像=『あそびのノート』より引用)

取材当日は坂本五郎氏寄贈の貴重な古伊万里のコレクションを展示していました。

「第4室 にぎやかな古墳のまつり」

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(画像=『あそびのノート』より引用)

ユニークな形をした埴輪やユーモラスな表情の石人などが見どころです。

「第6室 アジア人の理想の姿」

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(画像=『あそびのノート』より引用)

アジア人の理想を具現化した優美な仏教彫刻や絵画など見ごたえがあります。

「第8室 遣唐使とシルクロード」

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(画像=『あそびのノート』より引用)

遣唐使の積み荷を復元したコーナー。展示品は本物の原料や製作技法で忠実に再現したものです。以前、一部の展示品は手にとって香りや質感を体験することができましたが、2021年3月現在は新型コロナウイルス感染症防止対策のため見学のみです。

その他の展示室

■「第2室 金子量重(かずしげ)記念室」
楽器、食器、かごなど、アジア各国の生活文化を伝える品々が並びます。

■「第3室 倭人伝の世界」
稲作文化が根付き、金属器が広まっていった弥生時代の出土品を中心に紹介。

■「第5室 装飾古墳バーチャルシアター」
古墳の中に、実際に入って見ているようなバーチャル映像が楽しめます。

■「第7室 アジアを旅する」
国、地域、時代にとらわれない親しみやすいアジアがテーマ。テーマ替えごとに内容がガラリと変わります。

■「第9室 交流する中世の人とモノ」
中世期の美術品や歴史資料を通して、アジア諸国の独自性、共通性を知ることができます。

■「第10室 九州陶磁の華」
実業家であり陶磁器収集の大家、田中丸善八氏が集めた九州の陶磁器の名品が並びます。

■「第11室 多彩な江戸文化」
江戸時代の華麗で多彩な美術品、工芸品を多数展示しています。

超高精細8Kのスーパーハイビジョンシアター

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(画像=『あそびのノート』より引用)

文化交流展示室に入ってすぐの左側にあるのが「スーパーハイビジョンシアター」。320インチの大画面に3,300万画素の映像が映し出されます。客席は34席、30分ごとの上映。整理券を配布しているため、入場時に受け取っておくと入場がスムーズです。コンテンツは「神やどる島 宗像 沖ノ島」など7本。

※2021年3月現在、新型コロナウイルス感染症防止対策のため休止中