韓国酒の伝道師として魅力をアピール

村岡:伝統酒ソムリエとしては、まだあまり知られていない伝統酒の存在と魅力を知っていただく活動を行なっています。最近では10月最終木曜の「マッコリの日」を記念し、仁寺洞(インサドン)で行なわれた「マッコリフェスティバル2014」に参加いたしました。農林部や(社)韓国マッコリ協会からの支援もあり、マッコリソムリエ体験教室の専用ブースで新米マッコリの試飲会や利き酒会を実施した他、伝統酒の魅力についての講演をさせていただきました。

第82回~村岡さん・太田さん(韓国伝統酒ソムリエ)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
マッコリフェスティバル2014にて
第82回~村岡さん・太田さん(韓国伝統酒ソムリエ)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
ユン・ミョンヒ国会議員とイ・ドンピル農林部長官に伝統酒の説明も ## 蔵元めぐりでお酒のルーツに出会う 太田:私たちは韓国各地の蔵元を訪ね、その様子をSNSで紹介する、農林部主催の記者団「訪ね行く蔵元(チャジャガヌン ヤンジョジャン)」のメンバーでもあります。これまでに忠清南道(チュンチョンナムド)・舒川(ソチョン)の素麹酒(ソゴッチュ)、礼山(イェサン)のりんごワイン、唐津(タンジン)の白蓮(ペンニョン)、全羅南道(チョルラナムド)・海南(ヘナム)のもち米マッコリの蔵元などを訪問しました。 村岡:ミョン・ウク代表が農林部と企画した「訪ね行く蔵元」での蔵元見学は、造り手から直接お話を伺うことのできる貴重な機会でした。どのようなお気持ちで醸していらっしゃるのか、これまでにどのようなご苦労があったのかなど、参考書には書かれていない造り手の「心」について知ることができたからです。 ワインや日本酒と同じく、韓国の伝統酒も季節や温度により味が変わってきますが、さらに出荷後の日数や保管状況、造り手の心理状態など些細な環境の変化にも敏感である点が特徴です。そして、その結果生まれる味の変貌さえも楽しめるというのが非常に面白いと思います。
第82回~村岡さん・太田さん(韓国伝統酒ソムリエ)
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

素麹酒の造り手、ウ・ヒヨルさん(大韓民国食品名人)

第82回~村岡さん・太田さん(韓国伝統酒ソムリエ)

(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
米粒が浮いた浮蟻酒(プウィジュ)はトンドン酒とも言われる

太田:以前は焼酎と聞くと一般に流通している緑色の瓶を想像し、味に苦手意識がありました。ところが蔵元巡りをしてみて、同じ焼酎でも多彩な種類があること、そして実際に造り手から話を伺い、お酒が醸されている場を目の当たりにすると、見違えるように美味しく感じられることに驚きました。

村岡:蔵元で飲むお酒は格別ですよ。最初少し強いかなと思っても、見学後に実際醸していらっしゃる蔵元の社長様と改めて酌み交わすお酒は、本当に魔法にかかったようにまろやかです。

「マッコリにパジョン」の公式が当てはまらない?!

村岡:私自身がお酒が好きということもあり、日本ではお酒に合う料理を中心に研究していたのですが、韓国に来てからもお酒と料理の相性には関心がありました。韓国では一般に「マッコリにはパジョン(ネギチヂミ)が合う」と言われますよね?でも必ずしもそうではないんですよ。日本に地酒があるように韓国にも地マッコリがありますが、蔵元に行きその土地の郷土料理といただくと、また格別な一体感を味わうことができます。

太田:お酒の基本は「水」ですので、その土地の水で作られたお酒には、地域の名産を用いた郷土料理や昔から食べられてきた伝統料理が一番合います。

村岡:素麹酒(ソゴッチュ)が造られる舒川(ソチョン)という地域は海の近くなのですが、そこでいただいた素麹酒とアンコウ鍋は格別なお味でした。

太田:食事との相性がとても良く、お酒も進んで私たちのテーブルだけ素麹酒が次から次へと空き瓶になっていきました(笑)。

村岡:「水が合う」という言葉がありますが、まさにお酒と料理の相性もその一言に尽きます。生まれ育った土地の材料で作られた料理が一番口に合うように、お酒もその地域の料理といただいてこそ本来の味を楽しむことができると思うのです。