「本記事は、高橋輝行氏の著書『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。」

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(画像=NicoElNino/stock.adobe.com)

「会議」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?

「つまらない」「憂鬱だ」と思ってしまうという人は、普段、忖度や答え合わせの会議ばかりやっていて、顧客を創造するための頭を使っていないからかもしれません。

では、頭を使う会議とはどんなものなのでしょうか?

『メンバーの頭を動かし顧客を創造する会議の強化書
(画像=『メンバーの頭を動かし顧客を創造する会議の強化書)

図の左側の会議が世の多くの会社がやっている会議になります。このような会議では、上司・決済者の指示や命令に対し、参加メンバーが忖度・答え合わせに走るので、出てくるアイデアや施策が一人の頭を超えることはありません。

それに対し、右側の会議は参加メンバーがそれぞれの役割で物事を考え、目指す姿を共有し、その実現のために頭を動かすというものです。

その役割とは目指す方向性を考える役割の理想脳、現実解を考える役割の現実脳、そして理想役と現実役をリードし、目指す姿を実現する役割の推進脳の3つです。

イメージを膨らませアウトプットさせる

思考の質を高めるのが推進脳

推進脳を担う人は、経営企画担当やプロジェクトマネジャーと呼ばれる人に相当します。推進脳の主な機能は、

① 発想を振り切れない理想脳や現実脳のイメージを整理し、飛躍させる
② 衝突しがちな理想脳と現実脳を調整し、イメージをすり合わせる
③ 何を作ればいいか悩む理想脳と現実脳のアウトプットイメージの解像度を上げる

であり、理想脳や現実脳のイメージを膨らませながらアウトプットを引き出すリード役です。

コンサルティングやコーチング、ファシリテーションとも一部重なる部分があり、これらのスキルを身に付けた人が推進脳を担うのがいいのかもしれません。

推進脳は、頭の中から価値を生み出せるようにするためにはどのように考え、どのようなものをアウトプットするといいのか相談に乗りながら理想脳と現実脳の解像度を上げていきます。それぞれの脳を担う人の考え方を理解し、何をどのように伝えると相手の頭がどう動くのかを常に考えます。また、自分の頭の中にあるイメージを理想脳や現実脳へ提示しながら、相手の頭の中のイメージを引き出す、解像度を上げるといった高度なテクニックも使います。

推進脳がしっかりしていると、理想脳は思い切って発想を膨らませることができ、現実脳は実現上の課題を乗り越えることに集中できます。そうなることで、考えることが楽しくなり、仕事は面白くなります。さらには今までにないアウトプットができるようにもなり、そこからまた新しい気付きが生まれ、知らなかった自分の才能を発見し、自己成長をしていきます。

推進脳とは、いわば頭脳を動かす指揮者とも言えるでしょう。

よりよい会社を実現する推進脳の成果

は、優れた商品や事業を生み出し、新たな顧客の創造を実現し企業に売上利益をもたらすことです。そうすることで、組織は成長し、事業は持続可能となります。

つまり、組織に顧客の創造と収益を上げさせることが推進脳の成果です。経営学の神様と言われたピーター・F・ドラッカーは「組織に成果を上げさせる機能がマネジャーである」と言っています。理想脳や現実脳の頭を動かし新しい価値を創り出す推進脳こそ、マネジャーが持つべき必須スキルだと言えます。

まだ多くの日本企業では、マネジャーや管理職=部下の仕事や時間を管理する人という風潮が強いですが、これはルーティンワークを主体とする働き方を前提としています。

顧客を創造する働き方では、組織の頭脳を動かし新しい価値を創り出せる人がマネジャーであり管理職であるべきです。現状、後者における真のマネジャーはまだまだ少ないですが、これから様々な企業で必要とされることは間違いありません。現に推進脳として、様々な企業で仕事をしている私が実感しています。

従業員の発想や経験、やる気を最大限に引き出し、顧客が感動する、他社にはない商品や事業を創り出し、業績が安定するよりよい会社を実現していきましょう。

『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』より引用
(画像=『メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』より引用)

メンバーの頭を動かし顧客を創造する 会議の強化書』より
著者:高橋輝行さん/あさ出版
定価:1650円(税込)
ISBN:9784866673042



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