「本記事は、西成活裕氏の著書『東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣』(あさ出版)の中から一部を抜粋・編集しています。」

思考
(画像=tadamichi/stock.adobe.com)

「人生の目標」から逆算して考える

思考体力を使っていろいろとちゃんと考え続けたいけれど、日々忙しくて、何でも「なんとなく」しか考えられないまま終わってしまう……。

そういう悩みからなかなか抜け出せない人がいます。

そんな場合はまず、自分はどんな人生を歩みたいのか、1時間でもいいので、いったん立ち止まって考えてみることをおすすめします。

20代だったら、30代の自分はどうしていたいのか?

30代だったら、40代をどう生きたいのか?

自分が目指す理想像を思い描いて、その理想を実現するためには、何をすべきか逆算して考えてみてください。

「仕事だけじゃなくプライベートも楽しみたい」という人なら、仕事や時間、お金、仲間との付き合いのバランスをどう考えればいいのか、「場合分け力」と「微分思考力」で細分化してみる。

どのパターンだったら実現可能か検討して、やるべきことを書き出してみる。

子育て中で、「子どもが成人するまでは教育費がかかるから、そのあと自分がやりたいことをやろう」という人なら、かかる教育費を調べて、今の収入や預貯金、株式投資などで足りるのかどうか考える必要もあるでしょう。

子育てが終わったあとに必要な自己資金をどうやって形成すればよいか、「多段思考力」で計画を立てましょう。

ただ漠然と、「いつかプライベートも楽しみたい」「子育てが終わったら自分の好きなことをしたい」と思っていても、それまでにやるべきことを準備しなければ、「いつか」は永遠に来ないかもしれません。

たった一度きりの人生を、理想の「絵に描いた餅」で終わらせないためには、「キャリアプラン(仕事の目標に向けた計画)」「キャリアデザイン(仕事とプライベートを含めた人生設計)」のゴールから逆算して考える必要があります。

その際に駆使すべき力が、思考体力なのです。

  • 「人生をどう生きたいか?」を考える……自己駆動力
  • 人生の目標を達成するまでにやるべきことを考える……多段思考力
  • やるべきことが本当に合っているのかを検討する……疑い力
  • 「自分の考えは世の中的にはどうなのか?」と俯瞰して見る……大局力
  • このパターンだったらこうしよう、別のパターンだったらこうしようと、いくつかのパターンを想定しておく……場合分け力
  • 全く違う視点で考えてみる……ジャンプ力
  • 自分で考えたことを細かく分析する……微分思考力

これらの思考体力を使って、人生の目標達成にやるべきことを考えて実行していけば、その場限りの人生や行きあたりばったりで流されるだけの人生に区切りをつけることができます。

新型コロナウイルスによる世界的なパンデミックで、今ある仕事が明日もあるとは限らない現実を、私たちは目の当たりにしました。

「自分もいつ無職になるか分からない」と危機感を覚えた人もいるでしょう。

コロナ禍を機に、社会人の学び直しが当たり前の時代になっています。

人間というのはもともと、「まあ大丈夫だろう」「なんとかなるさ」と思いやすい、正常性バイアスを持った生き物です。新型コロナのような外的要因によるピンチが訪れて初めて、自分のキャリアパスを考えざるを得なくなった人もいるかもしれません。

いずれにしても、大手企業のリストラや倒産がめずらしくない今の時代、どんな職業に就いていても、自分の人生プランを真剣に考えたほうがいいのは確かです。

今日と同じような日が続くとは限りませんし、人生は過去の延長線上にあるとも限りません。

そのことを自覚すると、逆算して考えることの必要性に気がつくはずです。

東大教授の考え続ける力がつく 思考習慣』より
著者:西成活裕さん/あさ出版
定価:1540円(税込)
ISBN:9784866672137



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