長寿のお祝いとして最も有名なのは60歳の還暦です。それ以外にも「古希(こき)」や「喜寿(きじゅ)」などさまざまなお祝いがあり、それぞれのお祝いには意味があります。その中でもこの記事では「卒寿(そつじゅ)」について詳しくご紹介。お祝いする際のプレゼント選びやポイントについても解説していきます。
卒寿とは90歳のお祝い!意味や由来を解説
「卒」の略字である「卆」が縦に九十と読めることがその名の由来で、卒寿(そつじゅ)は満89歳(数え年で90歳)の長寿のお祝いのことをさします。賀寿にはさまざまなお祝いがありますが、卒寿だけはほかに「星寿(せいじゅ)」という呼び方があるのをご存知ですか?
これは囲碁界での独特の呼び方です。囲碁の種類には、大きなものから小さなものまで数多くありますが、縦19本・横19本の線がある19路盤が正式な基盤。この基盤の路面には361個の交点があり、その中に「星」と呼ばれる黒い丸が9個あることにちなんで、90歳のことを星寿と呼びます。
卒寿のお祝いに紫色のものをおすすめする理由
賀寿にはそれぞれテーマカラーがあり、卒寿のテーマカラーは紫色。70歳の古希や77歳の喜寿と同様のテーマカラーとなっています。
日本では昔から紫は高貴な色として使われてきました。卒寿のテーマカラーが紫となったのは、日本の歴史が由来しているともいわれており、大臣がつける冠の色によって位を決め、その中で紫は特に徳の色だとされてきました。
また、紫の染料は取れにくく貴重な色であることから、おめでたく高貴な色として長寿のお祝いの際に多く用いられるようになったそうです。
卒寿祝いの予算はいくら?孫から贈る場合は?
お祝いをするにあたって目安となる予算も気になるところです。そこでまず押さえておきたいのが関係性。自分にとっての両親にあたるのか祖父母なのか、または親戚や知り合いにあたるのかで相場が変わってくるので注意しましょう。
両親に卒寿祝いを贈る場合の相場:20,000円
もし両親に卒寿祝いをする場合には安くても20,000円くらいの物を用意したいところです。もちろん必ずしも20,000円以上というわけではなく、あくまでも相場になります。 しかし、金額の高さもひとつの気持ちの表れになる思うので、相場を把握しておいて問題はありません。また、相場よりも高い場合でも、大体30,000円までにおさめるケースが多いようです。
祖父母に卒寿祝いを贈る場合の相場:10,000円〜20,000円
祖父母にプレゼントを贈りたい場合は10,000円から20,000円くらいの金額が相場といわれています。その中でも金額に迷いが出た時は、祖父母との親密さなどを考慮してみてはいかがでしょうか?
親戚や知り合いに卒寿祝いを贈る場合の相場:10,000円
親戚や知り合いにプレゼントを贈りたい場合は10,000円くらいが相場だといわれています。この金額の前後でプレゼントを選んでおくと失礼になることはないと考えられます。 また、かえって高すぎるものを贈ると気を遣わせてしまう場合もあるので注意が必要です。
卒寿祝いはいつ渡すのがベスト?
卒寿祝いは90歳をお祝いするものであり、その時期については各自で決めても問題ありません。ご家族が集まりやすいお正月、ゴールデンウィーク、お盆やお誕生日や敬老の日に合わせたりするケースが多いです。
卒寿ともなれば90歳とたいへん高齢なのでおじいちゃん、おばあちゃんの健康を第一に考慮して計画を立てるのが良いでしょう。「お祝いをする人にとって都合の良いタイミング」ではなく、「お祝いをされる人にとって都合の良いタイミング」でお祝いをするのがベストといえるかもしれません。
卒寿祝いに定番のお菓子
卒寿祝いの定番のお菓子として洋菓子から和菓子までさまざまなプレゼントがあります。洋菓子ではパン、ケーキやチョコレートなど誰もが好むものが定番です。和菓子ではカステラやどら焼きなど食べやすいものが多く、最近ではこれらに名入れやメッセージを入れて、長寿を祝うといった贈り物も人気です。
また、卒寿ともなれば高齢なので、噛む力がなくても簡単に食べられるゼリーや羊羹を選ぶ人も多いです。それぞれ好みがあるので、普段から食べているものや好物をプレゼントするのが最も喜んでもらえます。
ところで卒寿に「のし」は必要?
卒寿祝いにプレゼントをする際に、丁寧さや敬意を表したい場合に熨斗をつけるのをおすすめします。「のし」をつける際の書き方として表書きには「御祝」といったタイトルを書くのが一般的です。プレゼントを渡す時は「御卒寿御祝」「祝卒寿」などの言葉をのし袋に書き、紅白・金銀などの水引をつけ、のし袋の下段にはフルネームを書きましょう。
近年、卒寿祝いなどの賀寿は身近な親族のみで行うことも多く、表書きに「御祝」などの一般的な書き方だけでなく、「おめでとう」といった少し砕けた言葉を選ぶ方もいます。