ただし「終身払い」は、解約で戻る額もグッと少ない
「65歳まで払い続けるのと比べると、毎月の支払額は相当安いですよね。65歳まで払う場合は、毎月2万1550円なのに、1万2500円って、4割以上も安い! これで1000万円の保険金をもらえるのなら、こちらの方がお得なのかしら?」
佐藤「でも、死ぬ前にお金が欲しくなることはありませんか?」
「途中でやめた場合は解約返戻金でお金が戻ってくるんでしょう」
佐藤「こちらも戻ってはきますけど、もっと少ないです。だいたい払った金額の75%以下しか戻ってこないと考えてください。男性の場合はもっと少ない。65%くらい。もっと少ない時もあります」
「20年とか30年払っても?」
佐藤「はい、そういうことになります」
「どうしてそうなるの?」
貯蓄型も、実は「掛け捨て」に「貯蓄分」を上乗せして払っている
すごくわかりやすくいうと、この保険は貯蓄型と言ってますが、払うお金の一部は保険(保障)のためのお金、また、一部は貯蓄のためのお金を払っていると考えてください。
終身払いの場合は、保険のためのお金の割合が多い。貯蓄の部分は少ない。だから、何年たっても戻ってくるお金は少なくなるわけです。毎月、1万2500円払おうが、2万1550円払ってもらおうが、死ぬ確率は同じです。それがカラクリです。
「終身払いは、払ったお金より少なくなるんじゃ貯蓄とは違うわね。65歳とか年齢で区切るものも、それまでの長い期間にお金を使う自由は奪われるし、利率っていう観点でいうとすごく低い」
税金が戻って来るのは、年に数千円~1万円とか
佐藤「でもですね、生命保険に加入しているわけですから、税制上のメリットはあります」
「どういうこと?」
佐藤「生命保険料控除というのがあって、毎年の掛け金が8万円までが計算され、所得税の一部が戻ってきます」
「8万円、保険にお金を払うと、8万円戻ってくるの?」
佐藤「そんなわけないでしょう。給料のものすごく高い人で1万円とか戻ってきますよ。貯蓄性ということを考えるときには、生命保険だけで考えずに、この税金のメリットも考えておいたほうがいいです。ただし」
「何?」
結局、生命保険は途中でやめたら損をする
佐藤「35歳から30年間、どんなことがあろうとも、払い続けないといけないってのは大変ですよ」
「どういうこと」
佐藤「仕事を辞めるかもしれないし、給料を減らされたり、リストラにあったり、そういうことがあったとしても、ずーっと払い続けなくちゃいけません。途中で何かあって払えなくなったら、相当損をしますから」
「保険料(掛け金)を払えない=途中でやめることになるからね」
佐藤「そういうことです。まずは健康で長生きできるように、楽しく暮らしてください。保険は万が一の時にお金はもらえますが、お金だけです。保険に入ったから健康になれるわけではありませんから」
今回の保険の話はどうだったでしょうか? ほかにも、医療保険の話などいろいろありますが、そのうちまた。
【関連記事】⇒1000万円の保険が月々850円!? 目先の保険料の安さだけで保険を選ばないで
<文/佐藤治彦> 佐藤治彦 経済評論家、ジャーナリスト。1961年、東京都生まれ。慶應義塾大学商学部卒業、東京大学社会情報研究所教育部修了。JPモルガン、チェースマンハッタン銀行ではデリバティブを担当。その後、企業コンサルタント、放送作家などを経て現職。著書に『年収300万~700万円 普通の人がケチらず貯まるお金の話』、『年収300万~700万円 普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話』、『しあわせとお金の距離について』『急に仕事を失っても、1年間は困らない貯蓄術』など多数 twitter:@SatoHaruhiko
提供・女子SPA!
【こちらの記事も読まれています】
>無印良品「メガネ拭き」が買い。パンプスの汚れも落とせちゃう
>手書きの「パスワード管理ノート」が人気。 便利&可愛いアイテム3選
>3COINS「マスク インナーパッド」で息苦しくない、リップもつかない!
>カルディのイチオシ調味料5選。「焼肉ザパンチ」「もへじ」が最強
>ダイソー“簡単泡立て器”が神、ふわっふわのオムレツが作れちゃった