<女性が一生、お金に困らないためのレッスン vol.4/経済評論家・佐藤治彦>
「月々の保険料が安いっ!」と飛びつきがちな生命保険。でも、よくわからずに入ると、数百万円を掛け捨てる=パーになるリスクも…。では、掛け捨て型じゃなくて、返戻金(へんれいきん)が戻ってくる貯蓄型保険なら安心なの? 今回は、貯蓄型保険のカラクリを解説します。
保険の無料相談サービスの多くは、保険を売る会社
「佐藤さん、この保険はどうですか? ほら、掛け捨てではありません!って書いてありますよ」
前回の保険の話、大きな反応をいただきました。何があるか不安な時代だから、保険に頼りたくなるのもよくわかります。断っておきますが、佐藤は生命保険に入るな、なんて一言も言ってません。ただ、安くてお得な、つまり、入り得な保険っていうイメージの広告が多すぎて、きちんと調べずに加入してしまうと、あとで後悔しませんか?と思うだけです。
そして、いま大流行りの無料で保険の相談をできるところの多くは、保険代理店です。つまり、保険を売る会社です。そこを十分考えたほうがいいと思います。お金を払ってファイナンシャルプランナーに相談に行っても、ファイナンシャルプランナーさんの中には、いろんな金融関係、つまり保険会社の仕事も兼ねている場合もありますし。
「え、どういうこと!!!!!」
もうこれ以上、敵を作りたくないので、想像に任せます。では、やばい話はこの辺にしておいて、最初の話に戻りましょう。
「貯蓄型の保険なら損しない」とは限らない
いま生命保険の中心は、保障はあるものの掛け捨てタイプのものが多いです。払ったお金は戻ってこない。しかし、加入しているのが掛け捨てでない保険だったら、損はしないはず。そう思っていませんか?
「え! 損するの?」
万が一の時にはお金を払ってくれて、何ごともなければお金を返してくれる。つまり経済的負担が何もない。そういう保険だと思っていませんか?
話を続けましょう。 どれどれ、あなたのプランを見せてください。はいはい、人気の「X保険」ですね。 特徴を書いてみましょう。
<人気の貯蓄型によくある特徴:「X保険」の例>
その1) 「一生涯の保険です」 つまり、前回取り上げた保険と違って、保障は90歳までなどとなっていません。85歳とか90歳で死ななければ、払ったお金はパーというものじゃないわけです。95歳でも100歳でも、130歳でも、万が一の時には保障してもらえます。
その2) 「貯蓄性のある商品であり、掛け捨てではありません」 貯蓄性のある商品としていますね。そして、掛け捨てでないということは、途中で保険をやめる場合など、解約返戻金というお金が戻ってくるという意味です。
その3)「重い介護、余命半年などと判断された場合には前もって保険金をお支払いします」 生きている時でもお金が払われることがあるわけですね。ただし、一度保険金が払われたらそこで保険契約は終了となりますから、その後で亡くなった時にはもうもらえないわけですが。