注文住宅の間取りを考える際には、家事動線を重視してみましょう。毎日の家事動線が短くなることで、日々の作業の負担を軽減できます。家族みんなが住み心地のいい家を目指して、間取りを考えてみませんか?ここでは、家事動線を短くするための間取りのコツについて紹介します。
注文住宅で進む家事動線の短縮化
近年の注文住宅では、家事動線の短縮化をはじめ、家事を楽にするためのさまざまな工夫がされた住宅が増加しています。これは、共働き世帯の増加が要因の一つといえるでしょう。内閣府の「男女共同参画白書平成30年版」の共働き世帯の推移を見ると、1980年には約614万世帯だった共働き世帯の数が、2017年には1,188万世帯まで増加しています。
共働きの場合、専業主婦(主夫)世帯よりも少ない時間で家事を行うことが必要です。「家事負担をできるだけ減らせる家にしたい」と考える人が多くなったことで、家事を楽にできる家が人気となったと考えられます。
家事動線の考え方の基本
家事動線とは、炊事や洗濯といった家事を行う際の人の動きを線で表したものです。家事動線が長ければ、移動距離も長くなり、家事の際に無駄な動きが生じているということになります。反対に短ければ、動きも少なくなり、家事の際の体への負担や所要時間が軽減されます。
家事動線を短くするために
家事動線は、家事を行う必要がある場所を1ヵ所にまとめることで短くできます。調理における家事動線を考える際には、「調理中の動き」「調理が終わった後の配膳の動き」「後片付けの動き」を考えることが必要です。例えば、下記のようなケースでは家事動線が長くなるため注意しましょう。
- 冷蔵庫からコンロが遠すぎる
- 食器棚がダイニングにありキッチンから距離がある
- キッチンからダイニングが遠い
- 洗濯機と洗濯物干し場が遠く離れているなど
キッチンではワークトライアングルを意識しよう
キッチンで作業を行う際の動線は、ワークトライアングルを意識しましょう。
- シンクの中心からコンロの中心まで距離が120~180センチ
- 冷蔵庫の中心からシンクの中心まで120~210センチ
- 冷蔵庫の中心からコンロの中心までを120~270センチ 上記のような範囲に納めて、それぞれを線でつないだ三角形の辺の和が360センチ以上600センチ以下になるように配置すると、作業がしやすいといわれています。