彼女は論理的で冷静な女性なのだ。しかも潔い

 ちなみにこのエッセイの中では、ニュースで観たシングルマザーの女性市議会議員が苦労して子どもの卒業式に出席した話なども取り上げている。「働く女性の子育てとの両立」を綴(つづ)りながら、なぜ子どもに関することは女親だけの担当なのか、彼女が他の男性議員に相談できなかったのはなぜなのか、シングルファーザーであっても両親がいる家庭であっても子どもの卒業式に出席でき

さらに子どもたちが犬を飼いたいと言い続けていたときの鈴木の対応が興味深い。

「もはやママは絶対ダメとは言いません。ただし条件があります。犬を飼うにあたってどんな手段があり、どんな手間とお金がかかり、どこまで自分たちでできてどこからママの手を借りるのか、それだけの労力を費やしても犬を飼うことのメリットがどれだけあるのか、きちんとプレゼンをして私が納得したらゴーサインを出しましょう」

 そう宣言したそうだ。友人には「いや~、ホナミらしいねえ、面倒な母を持って子どもたち大変だねえ」と言われたと記している。彼女は子どもたちの「創意工夫と熱意が大事」だとしているのだが、ここに彼女の論理性と冷静さが見てとれる。