世界で3番目かつアジア最大級の規模でダリの作品を常設展示する美術館が、福島県の会津磐梯高原にあります。美しい自然に抱かれたその「諸橋近代美術館」では、ダリの作品以外にも、セザンヌやルノワールなど、魅力的な作品を多数所蔵しています。
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諸橋(もろはし)近代美術館とは?
諸橋近代美術館では、スポーツ用品小売業「ゼビオ株式会社」の創立者・諸橋廷蔵(もろはしていぞう:1934年~2003年)氏が、約10年にわたって収集した美術作品を展示しています。
絵画鑑賞が趣味だったという諸橋氏のコレクションは、サルバドール・ダリの作品をはじめとし、西洋近代絵画も含めて410点にものぼります。「広く多くの方に、西洋近代美術の秀作の数々を鑑賞し、感動していただきたい」という熱い思いから、1999年、故郷である福島県の景勝地・磐梯朝日国立公園に美術館を開館しました。
約2,000㎡の面積で建てられた美術館は、諸橋氏の希望で「中世の馬小屋」というイメージで建てられているそうです。ですが、前面の池や手入れされた庭園と調和する建物の姿は、気品漂うお城のようでもあります。館内は玄晶石が用いられた自然の風合がある造りで、陽の光がさしこむ、開放的な空間となっています。
芸術家サルバドール・ダリ(1904年~1989年)とは?
スペインが生んだ巨匠サルバドール・ダリは、20世紀を代表するもっとも有名な芸術家の一人です。マルチな才能を持つ芸術家として活躍し、アメリカに進出したのちも大きな成功と人気を獲得します。
ダリは、油彩や彫刻、版画以外にも、映画や演劇、ファッションなどの多分野において才能を発揮しました。現実や一般的な考えを覆すような表現で、見る者に様々なことを投げかけています。作品そのものはもちろん、芸術家のあり方としても革新的だったダリは、まさに現代美術の先駆者だったと言えるでしょう。
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