教育費の家計負担が重くのしかかる日本の教育事情

子どもに十分な教育を受けさせてやりたいと、親であれば誰もが思うのではないだろうか。しかしそのためには家計から多くの出費をしなくてはならないのが現実だ。

都心部では私立中学校に進学する子どもが増えている。そのため公立中学校の中には生徒数が少なくなって統廃合される学校もあり、ますます中学受験の傾向に拍車をかけている状態だ。受験のためには小学4年生くらいから塾に通い始めることが多い。費用は授業内容や授業内容によって大きく異なるが、平成26年度文部科学省調べによると世帯の年収金額によっても大きな差ができている。
 

この調査によれば、子育て世代の平均年収が含まれる600万から799万円の世帯が支出する金額と、1000万円以上の世帯の支出金額では倍近い差がある。このように偏りの大きい状況では、一部の高額所得者を除き、ほとんどの世帯で不満を抱えることになるだろう。

大学進学もまた、家計からの支出割合が大きい。世界の主要国と比べてみても、公的資金で賄われているのは米国と並んで非常に少ない。しかも、2000年に比べて2012年はさらに少なくなっている。教育への公的資金負担を増やしている米国とは逆の傾向である。