平均年収では実感できないゆとりある生活

さらにサラリーマンの場合、給与の額面が年収712万円であっても、実際に受取れる金額は、所得税、住民税、社会保険料などが差し引かれたものだ。例えば、ボーナス別で月給45万円だとしても、手取りは約75~80%の35万円前後になる。源泉徴収だと負担感が薄くなるが社会保険料は上昇傾向であり、今後も超高齢化社会に向けて現役世代の負担は重くなっていかざるを得ない状況だ。

例えば手取り35万円として、住宅ローン返済15万円、食費8万円、光熱費2万円、通信費2万円を引くと残りは8万円。公立の小学校でも月平均2万5000円程度はかかることを考えると、贅沢していなくてもかなり厳しい家計だ。ボーナスで赤字の補填をして、ようやく乗り切れるギリギリのラインではないだろうか。

しかもこの手取り金額はここ数年、横ばい傾向が続いている。年齢の低い子どもであれば1年間で大きく成長し、食べる量は増え、興味の幅も広がる。その分費用もかかるので、前年と同じ収入では生活の満足度は下がってしまうのだ。