婚活費用は、ついに総額160万円
結婚相談所を3社利用した結果、「手厚いサポート」がウリの高い結婚相談所も、安いオンライン型結婚相談所もサポートは同じだったそうです。
約10年間の婚活に使ってきた費用(合コン、婚活用服代、街コン参加費は含まず)を足していくと、160万円を超えています。でもお金をかけて買えるのは、独身男性に効率的に会える機会だけ。自分の魅力や、人の気持ちが、お金で買えるわけではないのでした。
恵さんは彼氏ができても「内面を見てくれない」「相談してくれない」と「○○してくれない」と相手にクレクレ要求ばかり。婚活をすればするほど、相手に求める条件が増えていきます。一方で年齢は上がり、キャリアと年収は下がった時期さえもありました。学生の頃の奨学金は、まだ完済できていません。
本人は受け入れたくはないと思うけれども、まともな男性から見た恵さんは「一緒に生活するメリットのあまりない女性」。この現実を受け入れないと前に進めないと思いました。恵さんが、相手にしてあげられることは何なのか……。
―――――――――― 【当時のプロフィール】 年齢 36歳 年収 400万円 恋愛経験 彼氏4人(交際期間数か月) お相手の希望 1. 気にかけてくれる人 2. 自分が好みの顔 3. 内面を見てくれる人 4. 決断前に相談してくれる人 5. できれば次男、三男、婿入り 6. 長男なら大卒・年収500万円以上 7. 誕生日を祝ってくれる人 婚活費用(累計) 161万円
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「寂しいのでマッチングアプリでデートしています」
この記事の取材のために久々に恵さんと再会したところ、結婚相談所をやめて生活が楽になったと話してくれました。今年のボーナスで、奨学金も完済できそうだといいます。
婚活をやめて、心境の変化はあったのでしょうか?
「婚活をやめたっていうか、寂しいので会ってる人はいるんです」 「え! どこで知り合った人ですか?」 「『バチェラーデート』というA.I.マッチングアプリを使って会ってます。女性無料なので、婚活にお金は使ってないですよ」
聞けばこのバチェラーデート、登録は完全審査制で「内面、外見共に洗練された方」「優良企業社員、経営者または管理職、公務員、医師、士業、研究者などの専門職等」(公式サイトより)の“ハイスペ男性”しか利用できないそう。
同じく「内面、外見共に洗練された方」という条件をくぐり抜けた女性ユーザーは20代が多く、30代後半は約1割しかいないようです。恵さんは、現在36歳――。
彼女が今やっていることは、私には「年齢=彼氏いない歴」だった20代の頃の彼女と何ら変わっていないように見えます。デートの相手には事欠かなかったけれどその実、男性にとっては真剣交際の対象外で“0円キャバ嬢”だったあの頃。