国家公務員の男性からプロポーズされたのに
恵さんは入会して半年ぐらいは誰ともお見合いしなかったそうです。そこの結婚相談所では、プロフィールに家族構成まで表示されます。
「長男じゃない人を探してました。よかったら私の家に婿入りして欲しくて。そしたら次男三男ってほとんどいないんですよね」
あまりにお見合いを断るのを見かねた相談所の担当者から、「長男の方も対象に入れては?」とアドバイスされました。そこで2歳年上の国家公務員・長男とお見合いをしました。見た目もタイプではないし、長男でもありません。ですが、彼の父親もまた国家公務員な上に不動産経営もしていて、実家がちょっとした資産家だったのです。何度かデートをしてプロポーズされ、結婚前提の交際が始まりました。
彼を自分の親へ紹介した帰り、恵さんは彼から「ご両親にも結婚相談所の人にも言わないで欲しいんだけど、引きこもりの弟がいるんだ」と打ち明けられます。実家ではなく管理しているマンションの一室に住んでいるという話でした。
誰にも言うなとも口止めされていては、そのまま結婚していいのか悩むけれども誰にも相談ができません。スペックは高く外面はいいけれど、“臭いものに蓋”をするような彼やその家族のことを、恵さんは信頼できなくなっていきました。
その結婚相談所では結婚前提の交際期間は3か月と決まっていましたが、恵さんは決めきれずに交際を1年間続けたうえで、婚約解消を選択しました。その時、34歳。 このころからSNSで婚活ノウハウを発信するアカウントを片っ端からフォローして婚活本を読み、婚活情報収集を加速させていったそうです。
高いお金払ったし、高年収相手じゃないと“もったいない”
婚約を解消したのと同じ頃に「上場を目指す」と聞いて入社した会社が傾き、ボーナスは出せないと社員に通達がありました。そこで恵さんは再び転職活動をして、4社目の会社に就職。ここでやっと、年収が20代の頃に事務職として勤めていた2社目の会社に並びました。
アラフォー直前の焦りもあり、「ハゲていない年収500万円以上の男性」には片っ端から申込み、1日3回お見合いをしたこともあったそうです。そして、ある同年代の男性から交際を申し込まれました。
「これを逃したら次がないかもしれない。もうすぐアラフォーだし」 と思っていた恵さんは、結婚前提の交際を承諾して彼と成婚退会しました。結婚相談所に支払った成婚料は30万円。在籍期間は約3年でした。 ―――――――――― 【当時のプロフィール】 年齢 34歳 年収 380万円 恋愛経験 彼氏3人(交際期間数か月) お相手の希望 1. 気にかけてくれる人 2. 自分が好みの顔 3. 内面を見てくれる人 4. 決断前に相談してくれる人 5. できれば次男、三男、婿入り 6. 長男なら大卒・年収500万円以上 婚活費用(累計) 141万2千円 ―――――――――― 「なぜ年収500万円以上って条件にしていたんですか?」 「だって高いお金払って入会したし、自分より上じゃないと」 「それなら年収400万円でも恵さんより上ですよね」 「顔が良くて婿入りしてくれるなら400万円ぐらいでもいいんですけど。そうじゃないなら年収ぐらい500万円ぐらいないとなって思ったんです」