外貨預金の為替差損は

外貨預金の税金は利息部分について20.315%(2016年6月現在)の源泉徴収となる。為替差益については「雑所得」として総合課税となることから、富裕層の高税率負担者にとっては「雑所得」の為替差益計上は負担が大きいと考えられる。そして為替差損が発生した場合は、「他の雑所得」としか損益通算ができない。なお、FX利用の利益や、証券関連の利益とは損益通算ができない。

為替の損益を含めて株式の譲渡損益と計上できる可能性も

海外ETFや外国株を活用すると為替の含み損益の姿が異なってくる。

米国株式の譲渡損益の計算は、ある証券会社のHPの説明によると、

「売却時の円換算した受払金額-購入時の円換算した受払金額」

  • 売却時はドル建て金額 × 売却約定時のTTBレート
  • 購入時はドル建て金額 × 購入約定時のTTSレート となっている。

    円建て換算を行うプロセス等が面倒に思えるかもしれないが、為替の損益を含めて株式の譲渡損益と計上できる可能性がある。そして譲渡益の税率は20.315%(2016年6月現在)だ。富裕層の所得税と比較した場合のメリットの大きさを考えるべきだろう。そして他の国内の証券などとの譲渡損益との損益通算も可能になる場合がある。

    外貨預金を勧める銀行員でこの内容を知っている者は少数だと考える。仮に知っていたとしても、わざわざ投資家に教えることは期待できない。富裕層にとって自分のケースに当てはまる、有益な情報を提供してくれるパートナーがいることで、運用リターンが左右される可能性も期待できるかもしれない。

    *本件は一般的な税務の考え方を示したものであり、具体的な税金の事柄につきましては税理士、会計士等税務専門家にご確認下さい

    文・安東隆司(CFPRファイナンシャル・プランナー)/ZUU online

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