誰が年金をいくらもらえるのか
年金を受けとることができるのは、ある一定の年齢に達した人、病気や怪我で障害を負ってしまった人、被保険者の妻や夫を亡くしてしまった人などだ。
条件を満たした場合に支払われるものとして、老齢が理由なら「老齢年金」、障害が理由なら「障害年金」、遺族であるなら「遺族年金」がある。この3種が基本的な年金で、国民年金のみの加入者は、3種いずれかの基礎年金を受け取ることができる。また、厚生年金保険の加入者、3種の年金のいずれかにおいて、厚生年金と基礎年金の両方が受け取れる。(条件によっては、厚生年金、基礎年金のどちらか一方の受け取りとなる)、
実際の支給額はいくらほどになるのだろうか。厚生労働省2016年度『厚生年金保険・国民年金事業の概況』を参照したところ、厚生年金保険受給者においては老齢年金14万7927円、障害年金10万2398円、遺族年金8万4694円がその平均年金月額(基礎年金含む)であった。
一方、国民年金受給者の平均年金月額は老齢年金5万5464円、障害年金7万2453円、遺族年金8万2404円と、保険料の差と同様に、支給額でも大きな差があるのが分かる。
多様な老齢年金の受給方法
老齢基礎年金は10年の受給資格期間を満たすと65歳から支給される年金だ。受給資格期間とは保険料納付期間に保険料免除期間(第1号被保険者のみ)と合算対象期間(昔任意加入であった時の加入していなかった期間等)を足した期間で、かつては25年だったが2017年8月1日から10年に短縮された。
老齢厚生年金は老齢基礎年金の受給要件を満たし、かつ厚生年金の加入期間が一定期間ある場合支給される年金であり、ある事情からさらに2パターンに分かれている。1つは60歳から64歳の間に支給される特別支給の老齢厚生年金、もう1つは65歳から支給される老齢厚生年金だ。
前者は60歳だった老齢基礎年金の支給開始年齢が65歳へと引き上げられた際、起こり得る世の混乱を避けるためその給付が決定した。ただあくまで例外的な措置、暫定的な給付であるため、いずれは無くなる予定である。後者は通常の老齢厚生年金であり、老齢基礎年金に合わせて65歳から支給される。
老齢基礎年金と通常の老齢厚生年金の受給開始時期は変更が可能で、65歳より前、60歳から64歳のうちに受け取り始めることを繰上げ受給、66歳から70歳までに後ろ倒しすることを繰下げ受給と呼ぶ。繰上げの場合はひと月ごとに支給額が0.5%減算され、繰下げの場合はひと月ごとに0.7%加算される。
そのほか、60歳以降であれば働きながら在職老齢年金という形でも年金は受給できるが、年齢や給与などに応じてその金額は減ってしまう。
万が一のための障害年金と遺族年金
障害基礎年金が支給されるのは、国民年金の被保険者で障害認定日に1級、2級に該当し、保険料を一定期間納めていた場合だ。一方、障害厚生年金は厚生年金保険の被保険者であった人が保険料納付要件を満たし、障害等級の1級、2級、3級に該当した場合、年金を受け取れる制度で、障害基礎年金よりも保障範囲は広い。また、3級の障害よりやや程度の軽い障害が残ったときに支給される一時金として、障害手当金もある。
遺族基礎年金は国民年金に加入している人か、すでに受給する側にあった人が死亡した場合、遺族に支給される年金である。そのうち遺族基礎年金は死亡者が保険料納付要件を満たしていたとき、その人に生計を維持されていた子か子のある配偶者に支給され、配偶者は妻、夫のどちらでも受け取ることができる。
遺族厚生年金は一定の要件を満たしたとき、死亡者に生計を維持されていた人がもらえる年金だ。子どもがいなくても支給される点が遺族基礎年金とは異なる。
文・ZUU online編集部/ZUU online
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