1971年に登場以来、様々な進化を遂げ、多くのファンを増やし続けている『仮面ライダー』。ちびっ子だけでなく、ママファンが多いことでも有名です。そんな『仮面ライダー』の生みの親・石ノ森章太郎氏の萬画館がある石巻を散策してみませんか？
石巻（いしのまき）市があるのは？
石巻市は、宮城県で仙台市に次いで二番目に大きいとされています。旧北上川沿いに立地する中心市街地は江戸時代に開かれ、川と共に歴史を刻んできました。戦後の石巻市は、市町村の合併と共に人口も増加し、水産業、工業、商業を中心とした中核都市として発展を遂げています。
マンガ家・石ノ森章太郎氏（1938年～1998年）とは？
石ノ森氏は、宮城県登米（とめ）市生まれでマンガ好きの少年でした。中学2年の時、漫画投稿欄に初投稿して入選して以来、投稿マニアとなります。高校2年生の頃には、手塚治虫氏の仕事をアシストしたこともありました。そして、高校卒業と同時に上京。
以来、マンガの新しい可能性を追求し続け、『サイボーグ009』、『仮面ライダー』、『がんばれロボコン』など、多くの作品を生みだします。2008年には、「一人の著者によって出版された作品数が世界で最も多い」としてギネス世界記録に認定されています。
ちなみに、石ノ森氏がマンガという表記を「漫画」ではなく「萬画」と表現しているのには理由があります。公式サイトによると、「漫画」は、表現できないことはないほど無限の可能性を秘めたメディアなので、万物を表現できる「萬画」として提唱したと紹介されています。
石ノ森ワールド全開・石巻駅
石巻駅構内には、頭上に『サイボーグ009』のキャラクターたちがお出迎え。駅を出ても、出口の横、出口の頭上と、宝物探しでもするように、キョロキョロしてくださいね。駅を出た正面には、からくり時計もあり、毎時0分になると音楽とともに石ノ森キャラクターたちが出迎えてくれます。
駅前の石巻市役所前には仮面ライダーV3がいるので、ぜひここから石巻の散策をスタートしてほしいですね。石ノ森萬画館までは、ゆっくり歩いても20分程度です。
駅から1km続く・マンガロード
石巻駅から「石ノ森萬画館」へと続く国道398号線沿い約1kmが、いしのまきマンガロードと呼ばれています。両側の歩道には、『仮面ライダー』や『サイボーグ009』のキャラクターなど、漫画のキャラクターが次々に現れます。
等身大のキャラクター17体の他にも、街灯に吊るされたマンガフラッグや、ポストの上のフィギュアなど色々あるので、いしのもりマンガロードマップを片手に、探しながら歩くのも楽しいですね。
川の中州に降り立った宇宙船・石ノ森萬画館
構想から完成そして再オープンまで
2001年、時代の流れと共にシャッター街となった石巻の中心市街地を再びにぎわせたいと、当時の市長と石ノ森氏との対談の中で、マンガランド構想が持ち上がりました。対談後、約6年の歳月を経て石ノ森萬画館がオープンし、全国各地からファンが訪れるようになります。
しかし東日本大震災により、6.5m地点まで浸水。1階にあったものは全て川へ流されてしまい、いつ再開できるかも分からない状況が続きました。そんな中、萬画館を復興のシンボルとして再開させようという機運が高まり、2012年11月、再オープンする事が出来ました。
石ノ森萬画館の見どころ
建物のデザインは、生前、石ノ森氏自ら考案したもので、宇宙船をイメージして建てられています。”中瀬（中州）をニューヨークのマンハッタンと勘違いして降りてきてしまった宇宙船”というイメージなのだそう。石ノ森氏ならではのユニークな発想が存分に発揮されていますよね。
萬画館正面のハッチには仕掛け時計があったり、壁面には石ノ森氏のブロンズの手が伸びていたり、ガラスをすり抜けるスカルマンやロボコンがいたりします。
そして圧倒的な存在感を放っているのは、竹内涼真さん主演の『仮面ライダードライブ』に出ていたトライドロン。他にも毎時0分になると、宇宙船からからくり時計が下りてくる仕掛けもありますので、お見逃しなく！
ひととおり楽しんでから館内に入ると、貴重な原画やオリジナルアニメの他、石巻市のご当地ヒーロー・シージェッター海斗の実写映画を見ることもできます。もちろん『仮面ライダー』や『サイボーグ009』など、人気作品の世界を立体的に再現した展示もあり、石ノ森章太郎ワールドを満喫できます。
1階が受付とグッズショップ、2階が展示室、3階はライブラリーと漫画工房になっていて、6,000冊もの漫画が無料で見放題。有名漫画家さんによるイラスト色紙も展示されています。ここでしか見られないレアなイラストもあるので、じっくり見学しましょう。3階には他にも、軽食を頂けるカフェがあります。
