価値観と働き方をクロスすると見えるもの

筆者にも少し驚きの結果となりました。男女の役割分担意識は労働時間にはあまり関係がなく、関係が見えたのは「女性の働き方」でした。

「男は外で稼ぎ、女は家を守る」価値観のエリアでは、女性が雇用形態や収入額の調整を行っている様子がうかがえます。つまり「女が家を守る」の意味するところは、「女性の外での労働負担が少ない」ということではなく、「女性が家庭の事情に合わせて働き方を変える」ということなのではないかと思われます。

また、筆者は東京の女性がちょっと心配です。上には詳しい順位を記載していませんが、東京の女性は男性との労働時間の差がもっとも少なく、女性の中では月の給与額がトップですが男性との給与差もトップです。

つまり、47都道府県中もっとも男性と大差なく長時間働いているのに、もっとも給与格差があるということです。そして、男性からは「仕事も家事育児も頑張ってほしい」とスーパーウーマンを期待されているのです。これはあまりにも、女性にとってハードタスクなのではないでしょうか。

結婚後の二人の「働き方のバランス」が大事

(写真=Syda Productions/Shutterstock.com)

これらのデータから、「わたしはバリバリ働きたいからリベラル系エリアの男性狙いで!」とか「今の彼、〇〇系エリアだからやめておこうかな……」とかいった方向で考えてほしくはありません。これまで見てきたことは、厳密な統計分析による因果関係ではないので、「〇〇県の男性は結婚後こうなる!」と断言はできません。

ただ、結婚後の女性の生き方に、「家庭内の労働をどう担うか」「それによって外での仕事がどう変わるか」が大きく影響することは確かです。大事なのは、そこを曖昧なままに結婚に進まないこと。

ちょうどいいバランスは人それぞれです。そして、結婚するカップルが考える「ちょうどよいバランス」が一致しているとは限りません。あなたが結婚を考えている彼は、結婚後の二人の「ウチ/ソトバランス」をどう考えていますか?

「彼の年収」は変化しますが、結婚スタート時の夫婦のバランスは、いったん走り出すと変えるのが難しいもの。結婚前に、ぜひ二人で話し合ってみてほしいなと思います。

文・菊池とおこ/DAILY ANDS

【こちらの記事もおすすめ】
思わず共感する40代独身女性あるある
100均グッズで宅飲みをワンランクアップ
生活費月100万円超「ご近所セレブ」の実態
旅行のお土産、いくらが適切?
あぁ、癒やされる。飼いやすいペット5選