「仕事×家事育児」あなたの彼のタイプは?

(写真=4 PM production/Shutterstock.com)

では、男性自身は妻の仕事や家事育児にどのようにかかわるつもりなのでしょうか?

そこに踏み込んだ分析が、上記2つのレポートに続く『「妻の就業」×「家事・育児分担」男性の意識47都道府県マトリクス分析-男性の本音にみるエリア特性』(天野馨南子、ニッセイ基礎研究所、2018年)です。

マトリクス分析ってどういうもの?

マトリクス分析とは、分析の軸を複数使って領域を設定し、対象を分類してみるやり方です。ここでは、47都道府県の男性の意識を「家事や子育てに対する価値観」と「妻が仕事を持つこと」の2つの軸を使ってそれぞれ全国平均値より多いか少ないかで2分割したうえで、下記の4グループに分類しています。

①「家事や子育ては女性が行う方がよい」「妻が仕事を持たないことが理想」ともに高め
②「家事や子育ては女性が行う方がよい」は高め、「妻が仕事を持たないことが理想」は低め
③「家事や子育ては女性が行う方がよい」は低め、「妻が仕事を持たないことが理想」は高め
④「家事や子育ては女性が行う方がよい」「妻が仕事を持たないことが理想」ともに低め

もちろん4類型にはっきり分かれるということではなく、他のエリアと比較するとどのような傾向があるかを見るものです。

「妻の就業」×「家事・育児分担」から見える4つの傾向

マトリクス分析の結果、次のような傾向が見えてきました。

①「リベラル系」男性エリア(20都道府県)
女性が仕事をすることに理解があり、家事育児は女性のものとも考えていない男性タイプ。エリア数としては最多で、特に沖縄県、東北、九州の南部に多い。

②「家庭は女性任せ系」男性エリア(15都道府県)
女性には家庭内にいてほしく、自分が外で働きたい男性タイプ。近畿・中部・中国・瀬戸内海沿岸エリアに多い。

③「スーパーウーマン期待系」男性エリア(6都道府県)
女性の仕事に理解がある一方、家事育児には女性が向いていると考える男性タイプ。東京都をはじめとする関東比率が高め。

④「家事育児はあくまでサブ希望系」男性エリア(6都道府県)
家事育児は女性のものとは思わないものの、妻には家庭にいてほしい男性タイプ。数は多くないが全国に点在し、特に大阪府や神奈川県といった大都市圏エリアに多い。

結婚後も働きたい女性が注意したいタイプは?

天野さんは、「兼業主婦を理想とする男性がイクメンや家庭に協力的な男性であるとは限らない」と指摘しています。つまり、「女性に働いてほしい」という希望と「家事や子育ては女性にやってほしい」という願望は、男性の中で両立する可能性があるということです。

注意しておきたいのは、③の「スーパーウーマン期待系男性」と④の「家事育児はあくまでサブ希望系男性」です。結婚後も働きたいと考えている場合、結婚相手が③④タイプだったら、予想しなかった落とし穴が潜んでいる可能性があるかもしれません。

「彼はわたしが働くことに理解があるから、結婚後の仕事も問題なし!」と思っていると、同等に働いたうえに家事育児もすべて自分で担う羽目になったり、家事育児五分五分前提で働きに出ようとすると彼が渋り出したりする可能性も……。