「働き方の男女差」あなたの都道府県の現状は?

(写真=puhhha/Shutterstock.com)

男性の価値観や意識の傾向はつかめましたが、実際の男女の働き方はどうなのでしょうか。総務省統計局『社会生活統計指標-労働』(2016年)、『就業構造基本調査』(2016年)のデータを使い、上のマトリクスと照らし合わせながら分析してみました。

労働時間と給与の男女差

「男は外で働くべき」「女は家庭を守るべき」そういった価値観は、実際の労働時間に反映されている可能性があります。労働時間の傾向を見てみましょう。

※(%)は各カテゴリー内における比率。小数点以下四捨五入

男性の長時間労働の都道府県ランキング
<1位~23位>
リベラル系:7都道府県(35%)
家庭は女性任せ系:8都道府県(53%)
スーパーウーマン期待系:5都道府県(83%)
家事育児はサブ希望系:3都道府県(50%)

女性の長時間労働の都道府県ランキング
<1位~23位>
リベラル系:7都道府県(35%)
家庭は女性任せ系:10都道府県(67%)
スーパーウーマン期待系:3都道府県(50%)
家事育児はサブ希望系:3都道府県(50%)

この結果を見ると、「女には家にいてほしい」エリアの男性労働時間が長く、女性の労働時間が短いわけではなさそうです。

では、「男は外で稼ぎ、女は家を守る」価値観と関係があるのは何なのでしょうか?筆者が見つけたのはこちらのデータです。

男女の給与差が大きい都道府県ランキング
<1位~23位>
リベラル系:4都道府県(20%)
家庭は女性任せ系:11都道府県(73%)
スーパーウーマン期待系:5都道府県(83%)
家事育児はサブ希望系:3都道府県(50%)

「家庭は女性任せ系」と「スーパーウーマン期待系」、つまり「家事育児は女性が行った方がいい」価値観の強いエリアでは、労働時間の長短はともかくとして、女性の給与が男性に比べて低い傾向がありそうなのです。

正規雇用と非正規雇用の男女差

給与には雇用形態が反映している可能性があります。女性の正規雇用と非正規雇用の割合を見てみましょう。

女性の正規雇用が多い都道府県ランキング
<1位~23位>
リベラル系:14都道府県(70%)
家庭は女性任せ系:3都道府県(20%)
スーパーウーマン期待系:3都道府県(50%)
家事育児はサブ希望系:3都道府県(50%)

「スーパーウーマン期待系」と「家事育児はサブ希望系」は半数ですが、「リベラル系」と「家庭は女性任せ系」でははっきりと傾向に差が出ます。

もう一つ見てみましょう。配偶者のいる女性で、所得の上限を抑えるために就業調整をしている非正規雇用者の割合です。

就業調整をしている女性の都道府県ランキング(非正規雇用・配偶者あり)
<1位~23位>
リベラル系:3都道府県(15%)
家庭は女性任せ系:13都道府県(87%)
スーパーウーマン期待系:4都道府県(67%)
家事育児はサブ希望系:3都道府県(50%)

「家庭は女性任せ系」のエリアでは、女性が就業調整を行っている傾向が高いことが分かります。