住宅ローン以外に効果があるものがある
住宅ローン以外でも注目したい借入にクレジットカードのリボ払いがある。「月々定額払いで支払いラクラク」というチラシを見かけるが、リボ払いは利息を支払って月々同じ金額を返済していくという「借入」である。一般的なリボ払いは年利15%とかなり高い金利となっている。
例えば、20万円のバッグを月2万円のリボ払いで購入した場合、支払い元金は月2万円で翌月プラスされる手数料は2054円になる。全額支払うまでに10ヵ月かかり、支払う手数料の合計は1万3368円となるのだ。このケースでは、リボ払いで2万円支払った後に翌月全額一括返済に変更した場合、(日割り計算になるケースもあるので若干誤差はあるかもしれないが)残りの返済で払うはずだった1万1314円の利息を払わなくてすむことになるのだ。18万円の繰り上げ返済で1万1314円。利回りにすると年6.285%になる。
運用を考えることも大切であるが、借入がある場合は、まずその返済をしたほうがかなり即効性があるといえるであろう。
資産運用よりもまずは負債の返済が先
住宅ローンもリボ払いも共通していえることは、借入利息は借入金額の残高にかかるので繰り上げ返済が早ければ早いほど効果がある。
先ほどの住宅ローンの例で、借入から20年後に100万円繰り上げ返済した場合、総返済額は4141万3798円となり繰上げしなかった場合から軽減される金額は32万4962円となる。借入から5年後に繰上げ返済した場合の軽減額が79万2549円であったから、同じ100万円でもいつ繰上げ返済するかで、これだけメリットに差が出るということがおわかりいただけるであろう。
「資産を運用して増やしてから繰り上げ返済しよう」というよりは、今ある資産で早めに繰り上げ返済したほうがメリットは大きいと言えるのだ。
「借金」というイメージとは程遠いかもしれないが、「奨学金」も借入にほかならない。無金利の場合もあるが、金利負担のある場合は金利と借入残高を確認して、他の借入があれば金利が高く借入残高が多いものから優先して繰り上げ返済していくとよいであろう。
何もしなければほとんど資産が増えない今だからこそ「究極の資産運用」とも言える繰上げ返済は真っ先に考えておきたいものだ。
文・稲村優貴子(ファイナンシャルプランナー(CFP®)、心理カウンセラー)
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