先日、「貯めても貯めても増えない」というご相談があった。現在の普通預金金利は0.001%で、残高100万円あっても1年でつく利息は税引後わずか7円。確かに貯めても増えないのが現状だ。では、どのように資産を運用すればいいのであろうか?

このような低金利時代をむかえ投資が必要不可欠となったが、投資には時間が必要である。そこで、今回は100万円で79万円という即効性のある究極の「資産運用」ともいえる手法を確認していこう。

「負」の財産を確認する!

資産運用を考えるときに大切なことは、リスク許容度(どれくらいマイナスになっても耐えられるか)、期待リターン(このくらい増えてほしいという期待)、時間的な余裕(いつ頃までに増やしたいかという期間)である。

しかし、その前に確認しておきたいことは「負」の財産、つまり借金があるかどうかということだ。国がマイナス金利政策をとることになったことで、借入金利はかなり下がってきている。とは言え、借金の利息負担はかなり重い。運用できる余裕資金があるのであれば、まず繰り上げ返済などをして今後負担する利息を軽減させることも大切な「資産運用」のひとつといえる。

繰り上げ返済、本当に効果はたかが知れているのか?

40代のシングル女性が資産運用のご相談に来られた時のことを紹介しよう。38歳の時点で、その先独身の可能性もあり、老後で家賃支払いに苦労したくないという思いから、マンションを3500万円で購入した。35年固定ローンで金利は2.0%であった。預金の500万円のうち100万円を投資したいがどのような方法がいいか?とのご相談である。

投資信託にも興味があるとのことで、期待リターンの4%をクリアするために投資信託の種類を分散してシミュレーションしたところ約10年の時間が必要であった。そこで、その運用予算の100万円を住宅ローンの一部繰り上げ返済に充当するシミュレーションをすると驚きの結果になったのだ。

繰り上げ返済しなかった場合の住宅ローン総返済額は4173万8760円となる。借入金が3500万であるから35年間の金利負担は673万8760円。高級外車でも買えそうな金額だ。この金額を見ると、いかに借金の利息が高いかお分かりいただけるであろう。運用予算の100万円を繰り上げ返済した場合をシミュレーションすると総返済額は4094万6211円。差額はなんと79万2549円になった。わずか100万円で約79万円の効果があるということになる。

金利によって効果は異なるが、住宅ローンなどの「負」の財産がある場合は、まずその借入残高を減らしていくことが究極の資産運用ということができるのだ。

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