退職金を手にして「いざ運用を始めよう」と思っても、どんな商品を選んでどうやってお金を増やしていけばいいのか迷ってしまうかもしれません。運用に失敗して老後の大切な資金を減らしてしまうことがないよう、ポイントを押さえておきましょう。

退職金を運用するときのポイント

退職金を運用するときのポイントは次の2点です。

「攻め」より「守り」

お金を積極的に増やすことよりも、減らさないことを重視するのが鉄則です。投資では、高いリターンを得るためには高いリスクがともないます(ハイリスク=ハイリターン)。

退職金は減ると困るお金ですし、もし運用に失敗したとき充分に挽回できるだけの投資期間が取りにくいため、リターンは少なくても極力リスクを抑えた「ローリスク=ローリターン」な運用がおすすめです。

一度に大金を同一銘柄に投入するのは避ける

手元にまとまったお金があると、しっかり活用したくて一気に投資に回したくなるかもしれません。ただ、投資のリスクを抑えるためには「分散投資」が基本です。できるだけ投資対象や投資のタイミングを集中させず、複数の銘柄に複数回に分けて投資していきましょう。

退職金の運用方法3選

リスクを抑えつつ運用できる、退職金の運用に向いている金融商品を3つご紹介します。リスクが低い順に並んでいます。

1.定期預金……満期まで預金すれば普通預金よりも金利が高くなる。元本保証ありで安心。
2.個人向け国債……日本(国)が発行している債券。最低金利保証(年0.05%)あり。
3.投資信託……投資家から集めたお金をプロが運用する仕組み。低リスクから高リスクまで選べる。

どれか1つに絞る必要はありませんので、「50%は定期預金、30%は個人向け国債、20%は投資信託」など自分の希望に合わせて組み合わせてみてはいかがでしょうか。

退職金はリスクを抑えて運用しよう

高いリターンを目指すような投資は、資産の一部(なくなっても気にならないくらいの金額)だけで行うようにしましょう。基本は、ローリスク=ローリターンな商品に少しずつ分散して振り分けていくことです。豊かな老後に向けて、じっくりと取り組んでいきましょう。

文・ばばえりFP事務所代表)
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強!銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。AFP資格保有。

【こちらの記事も読まれています】
貯金専用口座はここがおすすめ!専門家が解説
今からでも遅くない!老後資金をお得につくる「iDeCo」
貯金額の目安はいくら?月10万円は少なすぎ?
「つみたてNISA」の5つのメリット iDeCoとの違いは?
ボーナスの手取り金額はこうやって計算しよう!