2. 税理士と信頼関係を築いておく

もちろん贈与の方法は暦年課税だけではない。居住用住宅の贈与は教育贈与非課税制度など、いわゆる生前贈与として活用できる制度は幅広い。暦年贈与と同じく知名度の高い相続時精算課税制度は原則60歳以上にならないと使えないものの、60歳が近づいてから制度の活用を考えるのか、40代から贈与資金の準備を始めているのか、この制度を活用できる範囲も大きく異なる。

ただ、このような対策は税金に関する知識がないと正確に準備するのはとても難しいもの。そこで、税理士やFPなどの専門家に40代などの早い段階で相談しておき、信頼関係を築いておくことを勧めたい。会社の経営者のように顧問契約を結ぶようなら高価なランニングコストが必要になるが、単発の相談だと数万円の相談料で完了することも。一見高い印象はあるが、数万円の費用で今後何年にも渡る相続対策、贈与対策の全体像が定められるのは、極めてコストパフォーマンスが高いといえるだろう。

3. 子どもと相続について共有する

40代から始められる相続対策は、制度について、また外部との関係だけではない。いずれ相続することになる妻や子どもと相続について話しておくのも、とても効果的だ。5年10年のスパンで、家族としてどのような準備が必要なのか。万が一自分が亡くなることがあったら、子どもにはどのような動きをする必要があるのか。遺言書やエンディングノートというハード面にとどまらず、普段から繰り返し話をしておく、ソフト面の整備も心掛けるようにしたい。長期間におけるそのコミュニケーションが、相続時のトラブルを避ける一番の対策といえるだろう。

文・工藤 崇(FP-MYS代表取締役社長CEO、ファイナンシャルプランナー)/ZUU online

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