運用次第で年金の上乗せも可能、ただし

確定拠出年金の魅力は、積み立てた年金をそのまま受け取るのではなく、運用次第で大幅に上乗せすることも可能な点にある。仮に月2万円ずつ拠出し、30年間年3%で運用したとすると、受け取り年金の合計額は、積み立てた720万円に対し1160万円である。なんと上乗せ額は440万円にもなる。

ただし当然だが逆もありうる。同条件でマイナス3%という結果になった場合、元本の720万円は471万円に目減りする。先ほどの1160万円とは大きな違いだ。その差を生むのは運用の手腕である。意外と忘れられがちなのだが、iDeCoは掛け金を払って終わりではない。口座に掛金を入金した後は、自分で株や債券や投資信託を売買しなければならない。つまり720万円を増やすも減らすも、すべて自分の腕次第なのだ。ちなみに2016年10月までの統計で、日経平均株価の過去10年間の年平均リターンは0.6%だ。

iDeCoで「元本確保型」商品はどうなの?

積み立てた年金が目減りすることに抵抗がある人は少なくないだろう。そんな人に対しては、「元本確保型の商品もある」が売り文句だ。定期預金や保険がこれにあたる。だが気をつけてほしいのは運用益が非課税になるメリットがあるのに、iDeCoで元本保証の商品を買ってしまうと、せっかくの非課税メリットが享受できない。また、通常の預金や証券口座と違い、口座管理手数料がかかってしまうため、かえって手数料の方が高くつくこともある。

ほとんど利息の期待できない商品を保有して手数料だけはしっかり取られるのでは、元本保証どころか元本割れである。口座管理手数料は年間3000円~7000円ほどかかる。5000円なら30年で15万円だ。それでも株や投資信託などリスク商品に抵抗があるという場合は、確定拠出年金センターのシミュレーションツールなどで節税額を試算し、手数料を払っても元が取れると確認してからにしよう。

iDeCoのメリットは、所得税を節税しながら運用益に課税されず長期で投資できる点にある。できれば少なくとも手数料以上のリターンは狙っていきたい。

文・ZUU online 編集部/ZUU online

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