各社が示す、ペットボトル緑茶の違いは?
各ブランドの人気や売上は、各社の商品・ブランド戦略と深く関係しているといえるでしょう。各社リリースなどから動向をとらえ、その戦略を紐解いていきましょう。
緑茶飲料の定番「お〜いお茶」
緑茶飲料の市場を開拓したといってもいい「お~いお茶」。伊藤園は、ペットボトル緑茶飲料の活性化がみられる2000年から、緑茶飲料市場の約30%以上を占め続けています。
「自然」「健康」「安全」「良いデザイン」「おいしい」を開発のコンセプトとし、お茶をトピックとした健康フォーラムなども開催。また茶産地の育成事業も手がけており、多角的な施策で認知度を高めてきたといえるでしょう。
多彩なニーズに応える「生茶」
発売から20年目をむかえ、2020年3月に14度目のリニューアルを果たした「生茶」は、製法やパッケージデザインの改良を続けながら「生」にこだわり続け、芯まで凍らせた生茶葉を使用した製法が特徴的です。
世界で初めてカフェインゼロのペットボトル緑茶「キリン 生茶デカフェ」を発売し、そのパッケージはグッドデザイン賞も受賞しました。カフェインを気にする妊産婦さんや、子どもも緑茶を楽しめるなど幅広いニーズに早期に応えたといえるでしょう。
本格派の先駆け「伊右衛門」
京都の老舗茶舗「福寿園」の初代・福井伊右衛門の名を冠して2004年に登場したサントリーの「伊右衛門」。福寿園の茶匠によって厳選された茶葉だけを使用し、“いれたて”の色・味・香りにこだわる本格的な緑茶飲料です。
多様なラインアップの中でも、2013年に発売した「伊右衛門 特茶」はトクホ(特定保健用食品)飲料として初めて脂肪の「分解」に着目し、緑茶飲料における健康志向の牽引役ともいえそうです。「特茶」は現在スマホアプリも展開しており、サービスブランドとして確立しつつあります。
後発ながら存在感を高める「綾鷹」
伊右衛門に続く本格派の「綾鷹」は “急須でいれたような、にごりの旨み”がキャッチフレーズ。京都宇治の老舗・上林春松本店の協力を得て、本物の味わいを追求する共同開発を進め、クリアな緑茶飲料が主流の中、あえて(お茶の)濁りにこだわりました。
「○○さん100人に聞きました。急須で入れたお茶にもっとも近いのはどれ?」といったCMも話題となり、“プロが認めた”という印象を受けた人も少なくないでしょう。後発ブランドながら、人気・販売数ともに存在感を高めています。
各社の戦略を踏まえて、ペットボトル緑茶を楽しんでみよう
一見、シンプルな緑茶飲料を、どのような技術とコンセプトで商品開発し、広告宣伝、新商品展開していくのか――それらを踏まえて、広告・パッケージ・商品ラインアップ・味などを意識してみることで違った楽しみ方ができそうです。
およそ30年前まで、お金をかけて緑茶を飲むという意識は希薄だったといえるでしょう。技術の進化により、缶入り・ペットボトル入り緑茶が生まれ、さらに各社のこだわりと戦略により巨大な市場へと進化した緑茶飲料。
他社の「参入」「新商品の発売」「印象的な広告手法」などは驚異にもみえますが、ライバルの動向を踏まえて競争を続けることが、この20年の市場拡大につながっているともいえるかもしれません。
提供・UpU
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