ライフステージ・年代別に入るべき保険
保険に加入する際は、自分のライフイベントやライフステージに合わせて商品を選ぶことがポイントです。また、一度加入したまま放置せず、定期的に見直しをしましょう。ここからは、ライフステージと年代別の"保険の考え方"について分かりやすく解説します。
ここまでに紹介しきれなかった種類の保険も、あわせて解説するので参考にしてください。
就職したら(20代)
就職後間もない単身世帯の場合は病気やケガで働けなくなったとき、治療費はおろか生活費を支払うことも難しくなるでしょう。そういったリスクを踏まえて、加入を検討したいのが「就業不能保険」です。就業不能保険に加入していれば、働けなくなったときでも毎月保険金を受け取ることができます。
公的な社会保険には傷病手当金や高額医療費制度が備わっていますが、申請までに時間がかかる場合など病気やケガで長期の治療が必要になると、心細くなる人もいるのではないでしょうか。そんなときは、「医療保険」に加入しておけば経済的にも精神的にも負担が軽減されます。
結婚や子育てのタイミングで(20代〜30代)
結婚すると自分だけではなく、家族のことを考えて万一の場合のリスクに備えておく必要があります。稼ぎ手が被保険者となり「死亡保険」に加入しておくと、いざというときも安心です。保険料を低く抑えたいなら「定期保険」を選びましょう。
あわせて子どもの教育費を貯める手段として「学資保険」も検討してみましょう。
マイホームを購入するとき(30代〜40代)
住宅ローンを組むときは、「団体信用生命保険」に加入することが一般的です。団体信用生命保険へ加入していれば、住宅ローンの返済中に契約者が死亡または高度機能障害になった場合でも、住宅ローンの残債を保険金でまかなえます。
団体信用生命保険に加入する際には、加入している保険の全体を見直し保障のバランスを調整しましょう。保障が多すぎる場合は、保障をスリム化することで保険料を節約できることがあります。
老後に備えて(40代〜50代)
子どもが独立したり、住宅ローンの返済を終えたりすると、高額な死亡保障は必要なくなるでしょう。自分たちの生活状況に合わせて、死亡保障をスリム化することを検討しましょう。また老後の生活や健康状態に不安がある場合は、できるだけ早いうちに「個人年金保険」や「医療保険」、「がん保険」などで備えることを検討してみてください。
保険はどこで加入するの?
最後に、これらの保険をどこで加入できるか確認しておきましょう。最近では、さまざまな方法で保険に加入できますが、保険の種類と同じく加入できる場所も多いので「どこで加入するのがいいの?」と迷ってしまう人も多いでしょう。ここでは、一般的な保険の加入方法を4つ紹介します。
保険取り扱い業者
さまざまな保険会社の保険を扱う保険取り扱い業者(代理店)では、豊富なラインナップの中から選べるのがメリットです。インターネットで購入する場合と違い、担当者から保険の商品説明を受けられるため、安心感があります。
インターネット
インターネットによる加入は、移動中や自宅にいながら24時間いつでも加入できる手軽さが魅力です。ただし商品について自分で理解し、疑問点がある場合は調べる必要があります。必要に応じて電話相談を活用するなどして、商品について理解を深めてから加入することが大切です。
保険販売員
保険販売員による加入は、訪問型が多く自分の足を運ぶ手間を省けるのがメリットです。ただし、1つの保険会社で取り扱う商品の中で検討することになるため、選択肢が狭まってしまう可能性もあります。本当に自分に合った保険なのか、きちんと情報収集しましょう。
銀行
銀行で保険に加入するメリットは、「なじみある銀行で保険の相談ができる」という安心感です。また預貯金や投資などの資産状況を加味したうえで全体のバランスに配慮しながら商品を選ぶことができます。銀行によっては、専用カウンターで相談できることもあるでしょう。対面で説明を受けて商品を比較検討することが可能です。
自分に合った保険を選ぶことが大切 どの保険に加入すべきかは、年齢やライフステージ、家族構成や働き方によって異なります。大切なのは、自分でしっかりと情報収集するとともに、プロの意見にも耳を傾けながら自分に合った商品選びをすることです。また保険に加入した後も放置せず、定期的に見直すことが肝心です。保険を上手に活用することで、自分や家族の生活を守ることにつなげていきましょう。
水瀬 理子(みずせ・りこ)
ファイナンシャル・プランナー
「お金の相談役」として、資産形成・相続・ライフプランなど数多くを提案。現在は執筆業を中心に幅広く活動している。
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