3. 価格だけではなく細かな給付要件もチェックする
電化製品のようにスペックが一律のものならば、価格比較サイトで一番安いものを買うことは良い方法だろう。しかし、そうはいかないのが保険だ。特に注意が必要なものが「がん保険」だ。「通院特約 5000円」と保険証券に記載されていても「20日以上の継続入院のあとの通院で保障」「入院・手術の後の通院でかつ退院後180日以内の通院のみ対象」「入院・手術せずとも通院のみで日数無制限保障」など給付要件は驚くほど異なる。同じ保険会社でも、加入年度によって異なることもある。
また、がんの診断給付は「上皮内がん」が対象外のものや、保障額が「悪性新生物」の10分の1になっている保険もある。上皮内がんは治療費用がそんなにかからないからそれでOKと思えるのならばそのような保険が良いが、上皮内がんでも悪性新生物でも心理的に同額保障にしてほしいという思いがあれば同額保障の保険を選ぶべきだろう。
治療方法を抗がん剤・放射線等に限定した保険にすれば、保険料を安く抑えることもできる。がん治療の多くがこの2つということを考慮すれば、この選択もよい。がん診断給付金100万円など一時金が給付されるタイプならば、自由診療のワクチン療法を受けたり(健康保険対象外で10割負担)、末期なら治療せず家族とゆっくり旅行したりするなど、自由にお金を使うこともできる。
「自分の万一」をイメージした保険選びを
家族構成、収入、住宅所有の有無(所有して住宅ローンがある場合、借主に万一のことがあれば借金はなくなるため、保障を低めに考えることも可能)、資産残高(資産があればそもそも保険は不要になることもある)、将来の夢など、同じ環境の人はいない。自分に万一のことがあった時や、自分が実際に病気になった時どのような保障が欲しいかによって保険選択は全く異なり、どの保険が良い保険かは一人一人異なるのだ。具体的に「自分の万一」をイメージして、自分に一番「良い保険」を選んでいきたいものだ。
文・稲村優貴子(ファイナンシャルプランナー(CFP®)、心理カウンセラー)/ZUU online
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