最低限、保険は「適用範囲」と「保障期間」を確認しておく

加入者が、保険の内容をわからないままでいると、必要な時に保険金を請求しなかったり、いざ保険を使おうとした時になって、希望通りの保障を得られなかったりする可能性が出てくる。

一例を挙げると、トラブルになりやすいのがガン保険などのような、特定の病名に対してお金が下りる保険である。万一、合併症を併発したりして、病名がガンでなかったりすれば、当然保険金が下りないことになる。他には入院保険なども、最近は日帰り手術が増えてきているから、思ったほど使う機会がないかもしれない。せっかく入っている保険を有効活用するためには、最低限、自分が加入している保険でカバーできる範囲がどこまでなのかは確認しておくべきだろう。

それから、入っている保険の保障期間がいつまでなのかも、合わせてチェックしておきたい。ありがちなのが、たとえば介護保険などのように、老後の活用を期待されている保険でありながら、保障期間が「65歳まで」などとなっているものがあることだ。同じく、終身保険などにも、定期特約期間が終わった途端に保障額がグッと下がってしまうものがあるので注意が必要である。

このように、保険は使用するに際してさまざまな制約がある。保険とは、あくまでも「保障内容に納得した前提で契約している」のだということを、忘れないようにしたい。

まずは「自分と向き合う」ことから始める

保険業界の用語に、「アシュアランス(生存リスク)」と「インシュアランス(死亡リスク)」という2種類の言葉がある。あえて端的に表現するとしたら、アシュアランスとは、生存リスクに対する保険のことを指し、インシュアランスとは死亡リスクに対する保険のことを指す。海外ではここの区別が明確になされた上で保険と向き合うのが常識となっている国が多い。

かつて、日本が右肩上がりに成長していた時は、手厚い年金や退職金、値上がりする不動産や高い預金利息などによって、人は基本的に老後や資産運用のことで頭を悩ませる必要がさほどなかった。そういう時代は、万が一のインシュアランスを心配していればことは足りたのだろうが、これからは、日本もアシュアランスの重要性が問われる時代になっていく。

アシュアランスの根底にあるものとは、「自分の身は自分で守る」という思想である。それは結局のところ、「自分以上に、自分に対して真剣になる者はいない」という現実と向き合うことなのである。

文・俣野成敏/ZUU online

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