家で過ごす時間が長くなると、なぜ太るのか?
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、企業や自治体で在宅勤務が注目されました。会社によっては、将来的に在宅勤務を継続することを発表したケースもあります。これまでオフィスへの通勤が当たり前だった多くの社会人にとって、満員電車での通勤ストレスや働く場所の制限から解放されるのは歓迎すべきことかもしれません。しかし一方で、外出の機会が減ったことで体重が増えてしまう「コロナ太り」も問題になっています。
ヘルス系ベンチャー企業である株式会社リンクアンドコミュニケーションが行った調査によると、新型コロナウイルスの流行を受けて発令された緊急事態宣言の期間で、約57%の人に体重の増加が見られたとされています。通勤やオフィスでの労働で消費していたカロリーは、私たちが想像するより多かった結果と言えます。
これまでの日常にあった無意識の運動「NEAT(ニート)」とは?
ジョギングやエクササイズなど意識的に行う運動ではなく、日常生活を送る上で自然と消費するカロリーのことをNEAT(ニート)と言います。ノンエクササイズ・アクティビティー・サーモジェネシス「Non-exercise activity thermogenesis」の頭文字を取ったものです。
人間は1日で消費するカロリーのうち、基礎代謝で約50~70%、食べ物の消化や吸収で約10%を消費すると言われています。残りのカロリーは運動や日常動作で使っているため、これまで外出や通勤などで意識せずに使っていたカロリー、つまりNEATによって消費していたはずのカロリーが余ってしまったことも、コロナ太りの原因の1つでしょう。
太っている人はやせている人と比べて、1日平均で150分間も座っている時間が長いという調査結果があります。また、食べ過ぎによって体重が増えてしまった人の中でも、体脂肪量の増加が少なかった人はNEATが増えていたという研究結果も報告されています。
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、仕事のスタイルや毎日の過ごし方が変わってしまった人は、意識的に立ち上がる時間を増やしてみる、家の中で動く習慣をつけるなど、NEATを増やすように心がけてみましょう。
基礎代謝量は年齢とともに減っていき、男性より女性の方が少ない
基礎代謝量とは、体の活動を維持するために必要な最小限のカロリーのことです。また寝ているだけでも人間はカロリーを消費しており、一般的に基礎代謝量は10代をピークに段々少なくなっていきます。人間の臓器のうち、筋肉、肝臓、脳がそれぞれ20%ずつのカロリーを消費していて、筋肉量が多いほど基礎代謝も高くなるので、一般に筋肉量の多い男性の方が女性よりも基礎代謝が高くなります。
基礎代謝で消費するカロリーを増やすには、筋トレが効果的だとされています。10代の頃より太りやすくなった、筋肉が落ちてしまったと感じる人は、この機会に筋トレに挑戦して筋肉量アップを目指すのも1つの選択肢です。
間食が増えることも太る原因、おやつは1日200キロカロリー以内を目指そう
家にいると、スナック菓子やチョコレートなどについつい手を伸ばしてしまうことも多いのではないでしょうか。気分転換やストレス解消にぴったりの間食も、カロリー過多の原因になっているかもしれません。
厚生労働省によると、一般的には1日に200キロカロリー程度の間食が適量だとされています。食事以外の食べ物は意識的に低カロリーのものを選ぶ、カロリーの高い食べ物は小分けにして少しずつ食べるなど、間食の選び方や食べ方を見直すことも検討してみましょう。
むやみに間食を我慢するのもストレスがたまり、結果的に長続きしないことも考えられるため、間食との上手な付き合いを考えるほうが建設的です。
半日断食とコロナ以前の生活習慣の見直しを組み合わせる
3食のうち1食を抜く半日断食と、コロナ禍で変わってしまった生活スタイルの見直しを組み合わせることで、健康的な日常生活を取り戻してみませんか?これはちょっとした生活上の工夫や、生活習慣のアップデートとも言えます。
マスクの着用や手洗いの徹底など、新しい生活様式を取り入れていくのとともに、家で過ごす時間が増えた生活にも適応していくのが賢い判断でしょう。
これまで食べ過ぎていた食事の量や回数を見直してみたり、意識してこなかった運動に目を向けてみたり、新たな発見がきっとあるでしょう。食べ過ぎや飲み過ぎが続いたら半日断食をして胃腸を休めてみる、運動不足が続いたら筋トレや家の中での運動にチャレンジしてみるなど、マイルールを決めることが体調管理にもつながります。
自分の体調やこれまでとは違う生活スタイルに合わせて、新しい生活習慣へのアップデートをしてみましょう。
(参考サイト)
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」
大原薬品工業株式会社 公式サイト「けんこう名探偵」
大塚製薬 大塚漢方胃腸薬 商品情報サイト「胃と上手に付き合うコツ」
大和薬品株式会社 公式サイト「健康豆知識」
NHK BS世界のドキュメンタリー「絶食療法の化学」
株式会社オプテージ eo健康「プチ断食でカラダをリセット」
NPO法人徳島県消費者協会 とくしま消費者交流ひろば「くらしのコラム」
医療法人澄心会 豊橋ハートセンター「心リハNOW」
提供・UpU
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