コロナ禍の中で外出を控える動きが広がり、家で過ごすことが推奨されるようになりました。自宅にいると、間食やお酒の量が以前より増えたという人も多いのでは?食べ過ぎや飲み過ぎはカロリーを取り過ぎるだけではなく、胃腸など内蔵にも負担がかかると言われています。今回は胃腸を休める効果やダイエット効果を期待できる「半日断食」について紹介します。
1日12時間だけ食事をとらない半日断食とは?
半日断食とは、1日の半分にあたる12時間、食事を取らない時間をつくる方法のことです。1日3食の食事をする場合、寝ている時間を除けばおよそ5~6時間ごとに食べ物が体に入っていく状態になります。半日の間食事を抜くことで胃腸を休めて、体をリフレッシュする時間をつくることが目的です。
そもそも食べ物が体の中に留まっている時間はどれくらい?
胃の中に入った食べ物は平均2~3時間、肉や揚げ物など脂肪分の多いものは4~5時間胃の中に滞在するといわれ、その後、栄養分や水分が吸収されながら小腸や大腸などを通り、24~72時間で便として排泄されると言われています。普段は、消化が進む間もコンスタントに新たな食べ物が入ってくるため、消化管はとても忙しく働いている臓器だと言えます。
決まった時間の食事以外の間食や飲酒が増え過ぎると、摂取カロリーが増えるばかりか胃腸にも負担がかかるでしょう。普段よりも食べ過ぎ、飲み過ぎると、胃もたれや胃痛を引き起こす消化不良の原因の1つとなるのです。
古くから人々とともにあった「断食」の歴史
食べ物を絶つ「断食」は、古くから宗教的な行為として行われてきました。イスラム教徒が行う「ラマダーン」は、約1ヵ月にわたって断食を行うものです。日の出から日没までの間、食べ物や水を取ることが禁じられています。断食は、日本でも仏教などさまざまな宗教の修行の一環として取り組まれてきたようです。
健康のための断食はさまざまな研究がされています。1950年代にロシアのモスクワで断食を行う「絶食療法」が精神病患者の治療法として研究されはじめ、その過程で体にも良い効果を発揮することが分かってきました。ロシアでは医療の一部としても認知されていると言われています。
海外の医療機関で行われる本格的な断食は、当然ながら医師の指導のもとで行われます。絶食の期間も3週間程度と長く、実際に取り組むのはかなりハードルが高いでしょう。
とってもシンプル!半日断食のやり方
本格的な断食は難しいですが、比較的チャレンジしやすい半日断食はいかがでしょう。半日断食のやり方はいたってシンプルです。1日3食の食事のうち1食をお休みして、12時間以上食べ物をとらない時間をつくるだけです。食事を抜くのは3食のうち自分が取り入れやすいものを選びます。ただし、断食中に脱水症状を起こさないよう、水分補給は忘れず行うよう心がけましょう。
昼間のエネルギー不足や空腹感が心配な方は、夕食を抜くのが効率的です。寝ている間に胃腸をゆっくり休めることもできそうです。
体調を崩さないように!半日断食中に気を付けたいこと
健康やダイエット効果を期待してチャレンジする半日断食で、体調を崩してしまっては元も子もありません。体調に異変を感じた場合には、すぐに半日断食を中止しましょう。また、病気やけがなどで体調が優れないときは避けるようにします。半日断食を安全に行うために、とくに次のようなことに気を付けましょう。
- 脱水症状を防ぐために、1日2リットルの水分補給を行う
- 激しい運動は避け、ウォーキングや体操など軽めの運動にとどめる
また暑い時期に半日断食を行う場合は、水分補給をこまめに行ったり、ミネラルが含まれたスポーツドリンクを飲んだりして、体調管理に気を付けてください。
半日断食後の食事は、脂質が少なく消化の良いものを選ぶ
半日断食を終えた直後の食事は、なるべく消化の良いものを選びましょう。豆乳やヨーグルトなど流動食に近い半固形物や、やわらかく煮た野菜スープが胃腸にも優しく消化もしやすいメニューです。お腹が空いたからといっていきなり脂質の多い高カロリーな食事を取ると、せっかく休めた胃腸に再び負担をかけてしまいます。できるだけ脂質の少ない軽めのメニューを心がけ、食事はいつも以上によく噛んで食べるようにしましょう。
断食初心者でも取り組みやすい!半日断食は週に1回の頻度で取り入れてみよう
まずは週に1回、半日断食を取り入れてみましょう。いきなり高いハードルを設けても達成するのは難しいため、無理のない範囲で長く続けていくことが大切です。また、半日断食は健康な人が体調を維持するために行うものです。持病がある人や普段から極端に食事の量が少ない人はかえって体調を悪化させかねないため、半日断食には不向きと言えます。