「ヘリコプター・マネー」って一体なに?
「ヘリコプター・マネー」も、昨今の金融政策を理解するうえで知っておきたい用語です。
「ヘリコプター・マネー」とは、中央銀行が、対価を取らずに大量のマネーを市中に供給する景気対策のことです。まるでヘリコプターからお金をばらまくようなイメージから、「ヘリコプター・マネー」と呼ばれます。コロナ禍における特別定額給付金10万円がこれにあたります。
ヘリコプター・マネーは“究極のデフレ対策”としてデフレ脱却の効果も期待できる一方で、大きなインフレを招き貨幣の価値低下につながる懸念も指摘される政策です。「禁断の政策」ともささやかれるヘリコプター・マネーは、提唱者である米・バーナンキ前FRB(下記参照)議長が、2016年の来日で安倍首相に導入を進言したのではないかと言われています。
あわせて知っておきたい関連機関
IMF
IMF(International Monetary Fund)とは、「国際通貨基金」のこと。「国際通貨制度の番人」として1945年に設立された国際金融機関です。通貨・為替相場のほか、国際金融システムなどの安定化を目的として、国際収支が著しく悪化した加盟国への融資などを行い、国際貿易の促進や加盟国の高水準雇用・国民所得の増大に寄与しています。
日銀総裁も出席しており、日本の出資割当額は2020年1月現在、アメリカに次いで世界第2位。出資比率に応じた発言権が与えられるのも特徴で、成長率予測や今後の見通しなどに関する発言も含まれるため、投資の世界でも注目されている機関のひとつです。
FRB(FOMC)
FRB(The Federal Reserve Board)は、7名の理事から構成される米・中央銀行制度の最高意思決定機関。位置づけとしては日本における日銀と同じで、日本語では「連邦準備理事会」と呼ばれます。
FRBが開く金融政策の最高意思決定機関に「連邦公開市場委員会(FOMC)」があり、FOMCがアメリカの金融政策や政策金利の金利誘導目標を決定しています。
IBRD
IBRDは「International Bank for Reconstruction and Development」の略称で、日本語名は「国際復興開発銀行」です。1945年に設立された世界銀行グループを構成する機関のなかでも、最も長い歴史があります。
IBRDは主に資本調達が困難な加盟国・民間企業などに長期融資を行っており、現在は開発途上国を対象とした財政融資が中心です。社会における持続可能な開発を推進することで、世の貧困を削減することを目指しています。
用語を正しく理解して毎日の経済ニュースに親しもう
金融政策は、その背景を理解することでいっそう理解が深まります。日本経済、世界経済の動向を正しくとらえるために、そのベースである金融政策について理解を深めておくと、日頃の経済ニュースもより多角的な見方ができるかもしれません。
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