海外での冬のダイビングの魅力とは?
──海外と日本では、ダイビングのやり方は違うのでしょうか。
山本:日本では引率者のいるガイドダイビングが主流ですが、海外では一般ダイバー同士で潜るバディーダイビングがベーシックです。
──何となく引率者がいないと、怖いイメージがあります。
山本:どこのショップのツアーで潜るかが大事になってきますね。なので、いつも通っているショップのツアーで行くのもいいかも。
積田:日本のダイビングスタイルしか知らないダイバーが、海外のショップで潜った際に「全然スタイルが違って困惑した」という話もよく聞きます。日本人ダイバーの対応をあまりしたことがないガイドと潜った場合に多いようです。不安な方は、旅行会社に相談したり、日本人経営や日本人ガイドがいるショップを選ぶといいかもしれません。
──海外で印象に残るダイビングスポットは?
積田:1月(2019年)くらいにメキシコのソコロ島周辺のクルーズに参加したのですが、本当に良かったです。世界自然遺産にも登録されたメキシコのガラパゴスとも言われる場所で、珍しい生物や多くの自然が残っています。7種類のサメやマンタに出合え、感動しましたね。
積田:同じくメキシコのラパスではアシカとダイビングできました。
──アシカやマンタ、サメですか!怖いと思ったことはないですか。
積田:全然!もちろん自然の生き物なので、配慮はしますがこちらが何かをしない限り、とくに何もしてきません。むしろダイバーが出す泡を楽しんでいる生物もいました。
──初心者ダイバーでも安心して潜れる海外の国といえば?
積田:フィリピンがいいと思います。安くて透明度が高いです。ダイビングポイントもたくさんありますし。
山本:さっき海外は基本的にバディーダイブと話しをしましたが、フィリピンのショップの中には、器材のセッティングや荷物の持ち運びなどいろいろやってくれる「殿様・姫様ダイブ」をしてくれるところもあるんですよ。
──それは安心です。ちなみにフィリピンのどの場所がいいですか?
山本:フィリピン・ボホール島の南西に位置する、バリカサグ島ですね。歩いて約30分くらいで1周できる小さい島なのですが、周囲を囲むように海中も断崖となっていている「ドロップオフ」で、水深約200メートルの水底までズドンと落ちる地形なんです。
積田:あまりにも人気で、1日に入れるダイバーの数が規制されてしまったほどです。
──それは行ってみたい!
山本:フィリピンは物価が安い点もいいですね。
積田:あとは冬の海外で、近くていいのがパラオかな。11月から5月くらいがとても良い時期です。パラオもダイビングポイントがたくさんあって、どんなタイプのダイバーでも楽しめると思います。
──パラオなら観光地としても人気ですね。ところで海外でエントリーレベルのCカード(認定証)を取得することもできますか?
山本:もちろんできます。今回私たちは、日本ではドライスーツの季節でも、ウェットスーツでいける海外エリアを紹介しているので、ドライスーツに抵抗がある人でも気軽に冬のダイビングが楽しめます。
積田:海外の海にいる魚は、日本とは大きさや色などが全然違うので、興味があるならぜひ!
ダイビングを始めて、人生が変化したこと
──ダイビングをやり始めたことで、何か変化はありましたか。
山本:クジラが好きでいろいろやっていたら、もう人生が「海」の状態に(笑)。
──今ではダイビングサイト「オーシャナ」の編集長ですからね。
山本:普通に暮らしていたら行けないような場所に行き、出会えなかった人に会えたのも、嬉しい変化ですね。
積田:私はダイビングを始めたことで、一人旅するようになったり、いろいろな場所に行ったりするようになりました。英語はペラペラではないのですが、ノリで何とかなっています。あとチャレンジしようとする気持ちが生まれてきたのは大きいですね。
──お話を聞いていて、ダイビングを始めると生き方そのものが前向きになるような気がしました。
積田:人生に広がりが生まれます。普通なら旅行の候補地になりにくいような場所にも行けるし、人にも会える。知り合いが増えますね。あとダイバー同士は、不思議と会話が弾みやすいですし。
山本:ダイビングは最高の自己投資だと思うので、ぜひ、若い方にも楽しんで欲しいですね。
未知の世界を知ることで人生が広がっていく!
なるほど。成長し、自己を磨くには「コンフォート・ゾーンを飛び出し挑戦することが一番」ともよく聞きますが、お二人のお話からも同じことが感じられます。
単に趣味や楽しみが広がるだけでなく、未知の世界を知ることで人生そのものが広がっていく。そんなことを教えてくれるダイビング、自己投資としてアリですね。みなさんもあえて「冬ダイビング」から始めて、新しい自分に出会ってみてはいかがでしょうか。
◆山本 晴美(やまもと はるみ)
1984年生まれ。クジラをきっかけに海に興味をおぼえ高校2年生でダイバーデビュー。ダイビング誌や主婦誌を手掛け、フリーの編集ライターとして独立。その後、海とダイビングウェブサイト「オーシャナ」編集長となる。水中メッシュゴミ袋「オーシャンバッグ」プロジェクト進行中。
◆積田 彗加(つみた すいか)
1990年生まれ。IT企業から株式会社オーシャナへ。現在は、オーシャナ営業部として活動する傍ら、海取材にも挑戦中。大学4年生のときに、スキューバダイビングを始める。現在では、スキューバダイビングの他、スキンダイビングにも取り組んでいる。
提供・UpU
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