『はたらく細胞』が大ヒット! 武内英樹監督作品が「原作改変」でも称賛されるワケ

芦田愛菜の業界評価

 そもそも芦田は、女優として業界内でどのように評価されてきたのか。業界事情に詳しい芸能記者はこう語る。

「3歳で芸能活動を始め、2009年に子役としてデビュー。翌年の日本テレビ系ドラマ『Mother』での子役離れした熱演で『第65回ザテレビジョンドラマアカデミー賞』などの新人賞を総なめにし、2011年の『江〜姫たちの戦国〜』(NHK)で大河ドラマデビューを果たした。同年に日本テレビ系『さよならぼくたちのようちえん』で日本のテレビドラマ史上最年少で初主演を飾り、さらに同年のフジテレビ系『マルモのおきて』でゴールデン帯の連続ドラマ史上最年少で主演を務めて人気を決定づけた。

 当時から子役然とした妙にこなれた演技ではなく、自然体で役になりきり、そこにあざとさがないところが他とは一線を画していた。その後も2012年に映画『うさぎドロップ』と映画『阪急電車 片道15分の奇跡』で『第54回ブルーリボン賞』の新人賞を史上最年少で受賞するなど快進撃が続き、2013年には映画『パシフィック・リム』でハリウッド進出。恐怖で泣き震える演技の迫力はアメリカでも高い評価を受け、同作を手がけたギレルモ・デル・トロ監督も『恐ろしいほどの上手さ』『私が仕事をした最高の役者の一人』と絶賛した。

 中学生以降は学業優先で仕事をセーブするようになり、出演作選びがより慎重に。NHK朝の連続テレビ小説『まんぷく』のナレーション、主演映画の『星の子』(2020)や『メタモルフォーゼの縁側』(2022)、第48回日本アカデミー賞の優秀助演女優賞を獲得した『はたらく細胞』(2025)などで強い印象を残し、中でも2023年にメインキャストの鵜久森叶を演じた日本テレビ系ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』でのリアルな演技は素晴らしく、同世代の実力派俳優たちが多数出演する中でも存在感が際立っていた。共演者の一人は芦田の演技について『全く熱量が落ちることなく、一つひとつの芝居に全力で挑んでいるのが伝わってきた』と絶賛。真摯に役と向き合う姿勢が、ちゃんと演技にも活かされているのが強みだろう」

「脱子役」はすでに成功か