「自分はノンバイナリー。男でも女でもないし、男でもあり女でもある」

アミアさんが我が子からジェンダーマイノリティであることをカミングアウトされたとき、抱いた感情は「理解したいけど、理解できない」でした。
世代によって異なる「普通」に悩まされながらも、自分の子どもを理解したいという一心で、LGBTQ+の本を読んだり、ジェンダー・セクシュアルマイノリティの子をもつ親の会に参加したといいます。
カミングアウトは当事者だけではなく、親にとっても大変な出来事。『ノンバイナリー協奏曲「もう息子と呼ばないで」と告白された私の800日』では、LGBTQ+当事者の子をもつ親としての本音が綴られています。
前編は、筆者のアミアさんにノンバイナリーをカミングアウトされたときの状況や心情について聞きました。
◆ノンバイナリー当事者の親の気持ち

アミアさん:アメリカ人の両親の仕事の都合で、私は日本で生まれました。アメリカへ帰って成人してからも、通訳などとして働いたり、日本とのつながりを30年に渡り持ち続けていました。この本を書いたのも、私の経験を通じて、日米の懸け橋になりたいと思ったからです。2012年、私はアメリカに住む子どもからバイセクシュアルであることをカミングアウトされ、2020年にノンバイナリーだと告白されました。カミングアウトを受けてからは、アレックスのことを理解しようと、ジェンダーやLGBTQ+にまつわるさまざまな本を読みました。そんな中で、ある時、日本における状況に目を向けたところ、当事者の親のために書かれた本は1冊も見つけられなかったんです。