そこから映画やドラマで着々とキャリアを重ねている奥平。5月には出口夏希とダブル主演作の『か「」く「」し「」ご「」と「』が公開され、8月公開の竹野内豊主演の映画『雪風 YUKIKAZE』への出演も発表されています。底知れない実力で、これからも私たちを驚かせてくれることでしょう。

◆森崎ウィン『ふたりソロキャンプ』『クジャクのダンス、誰が見た?』

主演でも助演でも光を放っていたのは森崎ウィン(34)。主演を務めた『ふたりソロキャンプ』(TOKYO MX)では、孤独を愛する生粋のソロキャンパー・樹乃倉厳を。主人公・山下心麦(広瀬すず)が弁護士・松風義輝(松山ケンイチ)とともに父・春生(リリー・フランキー)の殺人事件と過去の冤罪事件の真相を追う『クジャクのダンス、誰が見た?』では、松風の幼馴染で1番の理解者として彼と心麦を支える弁護士・波佐見幸信を演じています。

『ふたりソロキャンプ』
画像:TOKYO MX『ふたりソロキャンプ』公式サイトより
森崎はさまざまな作品に、とても自然に存在している俳優です。筆者が彼を真に認識したのは、映画『蜜蜂と遠雷』。貴公子としての気高さと音楽家としてのひたむきさを見事表現していました。しかし振り返ってみると多くの作品に出演しているではありませんか。それは彼自身が主張しすぎずに作品にフィットしている何よりの証です。変幻自在な、まさにカメレオン。

◆まったく別人のキャラを同クールで演じ分け

この冬クールの2つの出演作においても「あれ? どっちも森崎ウィンなの?!」と驚くほど別人です。『ふたりソロキャンプ』では、孤独を愛するためかあまり多くは喋らずクールな佇まいですが、心の声と表情だけでキャンプへの情熱を表現していました。

一方の『クジャクー』では、緊迫した展開が続く作品の唯一の“癒し”といっても過言ではないキャラクター。誰もが疑わしく見えるサスペンスドラマのなかで、視聴者が絶対的に信じられる人物は不可欠な存在です。その役割を森崎は見事に担っています。不穏さを一切感じさせない彼の空気感は、信頼に足る人間であることを裏づけていて、登場するだけで安心させてくれます(これでまさかの真犯人だったらごめんなさい)。