近年は黒柳の無茶振りが“芸人殺し”だと話題だが、相手が悪魔でも容赦はなかった。『徹子の部屋』の凄みについて、同番組を放送する元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏は、「大御所であればあるほど、素を出せる場所になっているのでは」と指摘する。
大御所が“素”をさらけ出せる場としての『徹子の部屋』
前出の鎮目氏が続ける。
「徹子さんは一見相手に関心がなさそうに見えますが、下準備はものすごく念入りにする方です。事前に番組スタッフから詳しいレクチャーを受け、徹子さんはポイントとなる部分や、情報に基づいた自分なりの話の進め方をきっちりメモに起こしていくそうです。そして、今や徹子さんはテレビ史を背負う人物。いってみればみんなのお母さん的存在で、ゲストはいかに無茶振りをされたり、ズケズケものを聞かれたりしても、それが心地良いと思うものになっています」
一見自由に振る舞っているように見える黒柳だが、失言やゲストを不快にさせることはない。それは「筋を外さない」人間力に起因する――と鎮目氏は言う。
「黒柳さんがアフリカに行く模様を追いかけた番組Pから聞いた話ですが、行った先の治安が不安定になることがあったそうです。そうした時、動揺するスタッフを一喝したのが徹子さんだったと聞きました。『しっかりしなさい、撮るのがあなたたちの使命でしょ』と。それで一気にスタッフの背筋も伸びたといいます。
徹子さんは、その存在が周囲を安心させるしなやかな強さがあるんですよね。裏を返せば、どんな自分でも受け入れてくれそうな懐、度量の広さがある。デーモンさんの場合でも、デーモンさんに無茶振りできるのは徹子さんぐらい。ただ、キャリアを重ねるにつれて誰も無茶振りしてくれなくなるので、デーモンさんも内心うれしかったのではないかと思います」
解散したのに… 再集結のたびに動員が増える「聖飢魔II」
黒柳のツッコミにはすっかりタジタジだったデーモン閣下。活動の母体となる聖飢魔IIは4月から40周年ツアーで全国を回るが、バンドも人間的な事情が色々と蠢いている。