一方で若き日の三上は、トレンディドラマ俳優として気を吐いていた。『東京サラダボウル』と同じ刑事役を演じたコメディドラマ『君の瞳をタイホする!』(フジテレビ、1988年)は、バブル時代を象徴するトレンディドラマとして記憶されている。
1990年代には、世界的指揮者が中学校のオーケストラ部を指導する『それが答えだ!』(フジテレビ、1997年)で、とびきり嫌味っぽく、色っぽく、しなやかな名演がある。唯一出演経験がある大河ドラマ『平清盛』(NHK総合、2012年)での鳥羽上皇役も忘れがたく神々しい。『東京サラダボウル』の三上博史は、この令和の時代に不意に再発見された感じがする。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
コラムニスト / アジア映画配給・宣伝プロデューサー / クラシック音楽監修「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu