――お笑い以外の表現方法を見つけた感覚でしょうか。

「同時に、時勢として子どもの育て方がわからない親が増えていると知り、それに伴って、幼い頃の僕と同じ気持ちを抱えている子もいっぱいいるのでは?と考えました。だから『ぬか漬けのうた』で全国の幼稚園や保育園をまわりたかった。でも歌だけでは門前払いかもしれないので、お笑い食育ヒーロー・野菜戦士ぬかづけマンをつくって活動を始めたんです」

◆お笑い食育ヒーロー「ぬかづけマン」の誕生

――その時、相方さんは?

「ぬかづけマンの敵役に扮して協力してくれました。最初は『何してんだよ!』とは言われましたが、『本当の仲間は僕にはおまえしかいない。おまえも僕しかいないだろ!』って説得して。結局、優しい人なので手伝ってくれました(笑)。でも、やっていくうちにじわじわと相方も食育について『大事なことかもな』と言ってくれるようになったんです」

アップダウン竹森巧さん_前編
――相方さんからの理解は得られたのですね。

「はい。でも、事務所から理解はなかなか得られませんでしたけど(汗)」

――そして2022年に2人で事務所を退社し、現在はフリーで活動をされています。

「ずっと辞めようと思っていたけど、辞められなかったんです。相方とは数年間『辞めないか』『辞めたくない』の押し問答でした。僕からすればそもそも相方に誘われて入った世界なので、一緒でないと意味がないと思っていたからです。辞めた今となっては、もちろん元の事務所に感謝しています」

――ありがとうございました!

<取材・文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】

フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:@kyan__tama