また、「51番目の州になるべきだ」と繰り返し主張しているカナダについての話もあり、自分の申し出をカナダが受け入れることがカナダ国民にとって最も適切なことだとする考えを述べた。
フィールドから「End Racism」のメッセージ消える
すべてがフェアであるはずのスポーツの、それもナンバーワンを決める試合の特別番組にふさわしいとは言えないインタビュー内容だった。
トランプ大統領が直接見つめたフィールドにも変化があった。NFLは黒人選手が多いこともあり、これまで差別や多様性の問題には敏感だった。
タッチダウンを奪う両サイドの「エンドゾーン」には、チーム名の後ろの部分に社会的メッセージを記す習慣がある。
2021年以降、「スーパーボウル」では2つのメッセージのうちの1つのメッセージを「End Racism(人種差別を終わらせろ)」と表記してきた。しかし今回は、これを止めて「Choose Love(愛を選択しろ)」という抽象的なメッセージに切り替えた。
NFL側は社会問題にかかわる姿勢に変更はない、としているものの、ことあるごとにトランプ大統領と摩擦を起こしてきたNFLがスタジアムに来たトランプ大統領に配慮したと指摘するファンは多い。
試合は、チーフスは精彩を欠き、イーグルスの一方的な展開となった。40対22でイーグルスの快勝。トランプ大統領はハーフタイムショーが終わった後、第3クォーターが始まって10分がたったぐらいのころにスタジアムを出た。
苦虫をかんだような顔で「エアフォースワン」に乗り込んだが、ふがいないチーフスのせいで「スーパーボウル」の政治利用は失敗に終わったと感じていたのかもしれない。
(文=言問通)