Naoyaさん「僕の場合、子どもの頃は“ほとんどのものが不得意”でしたので、人よりラクに結果が出るようなことは、小中学校時代はなかったです。知能検査後に知ったのですが、僕は特性としてワーキングメモリ(作業や動作に必要な情報を一時的に記憶し、処理する能力)が低いので、暗記系が不得意だったんですね。
だから小中学校での得意科目は特になく、一方で高校から高等専門学校(高専)に行くことで、工学系の専門教育が自分に合っていました。高専は暗記重視ではなく原理を理解しているかが重要だったのと、実務や経験を重んじる傾向があったので、そこが自分の特性とマッチしていたんですね」
Maiさん「私は人より勉強面での苦労はしていないんですが、いわゆるギフテッドとして描かれる平均的な像とはまた違うんですよね。例えばギフテッド特性のある人は、頭の回転は早いけど単純作業や興味のない作業が苦手な人が多いとよく言われています。
でも私は、漢字ドリルとかコツコツ問題を解くのも得意でした。だから学校の勉強も問題なくこなせたし、また好奇心旺盛だったので、実行委員とかもやるタイプで、先生の評価を得やすい子どもではありました。『全国◯位』みたいなわかりやすい結果はありませんが、頑張ってきたことはそれなりに結果が出ていた幼少期だったと思います」
==========
ギフテッドと一言で表しても、その特性や歩んできた道のりは大きく異なります。
当事者の方と直接関わる機会がないと、「ギフテッドは生まれつき頭の良い子」といったイメージが一人歩きになりやすいですが、お二人の話からは、苦労も多かったことがわかります。
【Mai】
ギフテッド特性ある子のためのフリースクール・個別指導塾「Lagoon」代表。自身もギフテッド特性を持ち、幼少期には不登校を経験。SNSでは当事者のリアルや役立つ情報を発信し、総フォロワー数は1.8万人。JAPAN MENSA会員。YouTube:@MAI_gifted