そこから自分と同じような特性を持つギフテッドのお子さんの支援をしたいと考え、児童発達支援のスタートアップに転職し、2年半前に独立。現在のフリースクール運営へとつながっています」

Naoyaさん「僕は現在、2つの活動を行っています。1つは機械学習を専門とするフリーランスエンジニアとして、リモートで仕事を行っています。もう1つは、現在南アフリカのケープタウン大学で博士課程に在籍しています。チーターの動きを工学的に利用するために、動物の観測技術やデータ処理について研究を行っています。

僕自身は教育は専門ではなく、妻がギフテッドの概念を知る中で、一緒に「ウェクスラー式知能検査」を受け、そこでギフテッドに当てはまるんだなということを知りました」

◆当事者が語る「ギフテッド」の定義

 ギフテッドという言葉が知られてきている現代ですが、定義をきちんと理解している人はまだ少数です。

 聞き手である筆者も、最初は「IQ130以上の天才児」など、ふわっとしたイメージを抱いていました。しかしギフテッドの中には、知的な高さと発達障害を持ち合わせている人もいて、それを「2重に特別な(Twice-Exceptional)」という意味の「2E」と呼ぶこともあると知りました。

 Maiさんはギフテッド当事者であり、ギフテッドを支援する立場でもあるわけですが、正しい定義と、実際どんなイメージを抱かれることが多いのか聞きました。

Maiさん「『ギフテッド』と聞くと、日本では『ものすごい天才』みたいなイメージが強いですが、実際にはそうでないことを、当事者であり支援に関わる立場から伝えたいです。

『ギフテッド=IQ130』とか『高IQ』とイメージされがちですが、ギフテッドには統一された共通の定義がありません。諸外国でも地域や団体によって定義が異なります。ですが一般的には、同世代と比べて高い知的能力と、特有の性格特性があることをもって、『ギフテッド特性がある』と認識されるケースが多いです。