人間のIQの平均を100としたときに、統計的に『稀な値』である上位2%くらいを考えると、IQ130が目安であるため、かつてはIQ130が基準として語られていました。現在は、本人の性格や特性、行動観察の結果も踏まえて判断する傾向があり、IQの高さだけでギフテッドの判断をすることは少なくなってきています」

◆振り返ると感じていた人との違い

Maiさん
Maiさん
 お二人はギフテッド特性を持つことを知ったのは大人になってからとのことですが、幼少の頃はどんな性格だったのか、また当時からいわゆる“才能”みたいなものは発揮していたのでしょうか。

Naoyaさん「僕は小さい頃から、感情のコントロールがとても難しい子どもでした。同時に幼少期から論理性や合理性を重んじる性格で、2つの特性により、折り合いがなかなかつけられず、友達や親と価値観が合わなくて苦労をしてきた記憶があります。論理的な話をしたとしても、子ども同士では通じないし、大人と話したって常識や一般的な行動が優先されて、『この子は何言ってるの!?』で切り捨てられてしまうことが多いですよね。このとき、自分は納得できず、子どもなので感情的にワーッとなってしまうんです」

Maiさん「私はOE(過度激動)と呼ばれる、感情や行動の激しさがある子でした。人一倍物事に反応するので、ポジティブな側面もネガティブな側面も増幅される感じです。ポジティブな部分でいうと、嬉しいことはワーッと喜ぶし、これやってみたいアレやってみたいと、好奇心旺盛で没頭する感じです。一方ネガティブな部分で言うと、人から言われたことや出来事を重く捉える傾向にあります。人が怒られているのを聞くのもしんどいし、1回落ち込むと回復に時間がかかるのも特徴です」

◆ワーキングメモリが低く苦労が多かったNaoyaさんの幼少期

Naoyaさん・Maiさん夫妻
 振り返ると、お二人共“人との違い”は感じていたようです。それにより、人よりラクだったことや結果が出やすかったこと、いわゆるギフテッドとしての良い成果のようなものは、あったのでしょうか。