長年芸能の世界に携わってきたベテランの敏腕テレビマン・A氏へのインタビューを通して、芸能界の裏側に切り込む連載企画の2回目(全3回)。1回目は昨今の芸能界で激減した「記者会見」の重要性について語ってもらったが、今回は「会見を開いていれば中居正広は引退せずに済んだのか」をテーマにお送りする。
当初、中居氏は女性とのトラブル報道を受けて発表した謝罪文で、事実を認めた上で「示談が成立したことにより、今後の芸能活動についても支障なく続けられることになりました」として、活動継続を明言していた。
ところが、この文書に対して「お金を払ったから芸能活動OKって考え方が信じられない」「被害者への謝罪より保身を優先している」「謝罪文の失敗の典型例」などと批判が集中。とくに「芸能活動についても支障なく続けられることに」という一文がひんしゅくを買い、世間からの批判がかえって激しくなってしまった。
結果、この謝罪文が命取りになり、中居氏は芸能界を引退することになった。中居氏ほどの人気タレントが騒動後一度も公の場に姿を現さないまま、いわゆる「ペライチ」の文書だけで業界を去ることになってしまったわけだ。
会見を開けば「引退避けられた」
もし中居氏が謝罪会見を開いていたら、状況は大きく変わっていたはずだとA氏は断言する。
「もし中居さんが記者会見をしていたら、引退せずに済んだ可能性は高い。騒動の性質的に引退が避けられなかったという見方もあるでしょうが、仮にそうだったとしても、会見をするのとしないのとでは未来が大きく違う。会見をしていれば、一度は引退しても何年後かに復帰することはあり得たでしょう。復帰のきっかけとして、たとえば『SMAPの一夜限りの再結成』といったアクションを起こすこともできた。しかし、会見をせずに引退したことで、テレビ業界では報道以外で中居氏の話題を出すことすらタブーになってしまった。これでは将来的な復帰の可能性もゼロでしょう。